「わが国の視覚障害者の将来」報告書④

番組担当の塚本です。

今週は、令和2年に「日本視覚障害者団体連合」がまとめた「報告書」の内容を紹介しています。

今日取り上げるのは、視覚障害者の教育・保育の抱える課題についてです。

視覚障害者の教育と言って、すぐに思い浮かぶのは盲学校の存在です。

全国の都道府県に存在する盲学校は、2017年時点で65校、在校生は2731人でした。

これは1959年時点の71校、在校生が1万人を超えていた当時の3割弱に生徒数が減少しています。

しかも、65校の中で生徒数が100人を超える学校は3校。30校が生徒数30人未満で、4校では生徒数が一桁に落ち込んでいました。

生徒数がここまで減少すると、当然、父母の間からは、「社会性が身に付かないのではないか」「競争心もたかまりにくいのではないか」といった危惧の念が強まることは十分に考えられる事です。

また、最近ではインクルーシブ教育を進めるべきだとの声も強く、一般の学校で学ぶ視覚障害の生徒が増えている現実は否定できません。

勿論、障害児を一般の生徒とは別枠として考えるよりも、出来る事なら一緒に学ばせるべきだという考え方は方向としては、正しいのでしょう。

ただその場合でも、盲学校だからこそ可能だった視覚障害児教育の専門性をどのように生かすのかについて、合意形成がなされるべきだと「報告書」は結んでいます。

いずれ、視覚障害児への教育の問題は、「知っていますか?ロービジョン」の番組で取り上げるべきテーマと考えています。