「戦火で視覚障がいになった元兵士の証言」

番組担当の塚本です。

「知っていますかロービジョン」の番組とは趣を異にしますが、戦後79年の夏に当たり、昨日に引き続いて、先の戦争で負傷又は病気の為、過酷な時期を過ごした傷痍軍人と言われる方々の手記をご紹介します。

1944年、当時のビルマ戦線で銃撃を受け失明した元兵士は、「病院とは名ばかりの施設に収容され、軍医の診察もなく、包帯を交換してくれたのみであった」と当時を振り返っています。

また、1944年、中国・湖南省で目を負傷した元兵士は「自分はまだ目の治療をうけていません」と訴えると、中隊長は「目は片目が見えれば十分だ」と言って、部隊に戻された経験を綴っています。

これらの回想録は、千代田区九段下の「しょうけい館」で読むことができます。

私が子供の頃、街を歩いていると、白い衣装に身を包んだ傷痍軍人と言われる人たちが、物乞いをしている姿を、よく見かけたものです。

或る負傷兵の妻は、「戦時中は戦死者や戦傷者は御国のためにと讃え励ましたものですが、敗戦後は夫のような傷痍軍人など汚いものを見るような目で見られ、残念で仕方りませんでした」と記しています。