「盲導犬の活動に欠かせないボランティアの役割」

番組担当の塚本です。

日本盲導犬協会の会報誌を読んでいましたら、旺文社主催の「第57回全国学芸サイエンスコンクール」の作文/小論文の部で、東京の女子高生の佐伯理奈さんの作品が慶応大学塾長賞を受賞した事が掲載されていました。

佐伯さんの論文に目を通してみましたが、そこには盲導犬は生まれてから、先ず繁殖犬ボランテイアの下で育てられ、生後60日を過ぎるとパピーウォーカーというボランテイアの家庭で1歳になるまで過ごすと書かれていました。1歳を過ぎると子犬はハピーウオーカーの元を離れ、盲導犬としての訓練に入ります。

勿論、盲導犬に向くタイプの犬と、向かないタイプがあり、向かないと判断された犬は、「キャリアチェンジ犬」としてボランティアに育てられることになります。

盲導犬としての訓練には何段階もの試験があり、合格した犬だけが、盲導犬として視覚障がい者の家庭に引き取られる事になります。

そして盲導犬としての役割を終えた犬は、最後は引退犬飼育ボランテイアの家庭に引き取られ、余生を過ごします。

このように盲導犬の誕生から看取り迄、多くのボランテイアスタッフに支えられ、盲導犬はその役割を全うします。

佐伯理奈さんの家庭は、引退犬飼育ボランテイアとして、現在、二頭目の引退犬を迎え入れています。

こうした体験を経て、応募論文の中で、佐伯さんは「視覚障がい者と盲導犬を事故から守れるのは、私たち『見えている人』だということを忘れてはならない」と指摘しています。

番組担当者として共感する点の多い論文でした。