2021.02.07
チョコレートでSDGsを考える
伊藤 佳子
日本のチョコレート消費量は世界6位。
世界全体のチョコレート消費量が増えている一方で、
木が高齢化している、必要な苗木や肥料など手に入りにくい、
栽培技術に関する知識が周知されていないなど、
近い将来、カカオ豆の生産が追い付かなくなるかもしれないとも言われています。
チョコレートメーカーでは、持続可能な生産方法でつくられた「サステナブルカカオ」への
切り替えが進められる中、フェアトレードのチョコレートも増えました。
フェアトレード専門店ピープルツリーのフェアトレードチョコは
このかわいらしいパッケージを見たことのある方も多いかと…
私は「エコライフ情報」の取材でお邪魔して以来20年ぶりに自由が丘店に伺い、広報の鈴木啓美さんにお話をききました。
鈴木さんは、甘いチョコの背景にはビターな現実・社会問題・貧困問題があると…。
パッケージの包み紙の裏には「BE The Change」というガンジーの言葉が書いてあります。
「あなたの選択で世界は変わりますよ。誰かが変えてくれたらいいのにではなく、
変化させたいと思うんだったらあなた自身が変化の担い手になりましょうね」という
メッセージだと教えてくれました。
また ㈱明治はカカオ農家を支援し、カカオ豆の生産を持続可能なものにする
「メイジ・カカオ・サポート」という取り組みを行っています。
ガーナ・ベネズエラ・エクアドル・ペルー・ドミニカ共和国・ブラジル・メキシコ・ベトナム
マダガスカルで、専門の社員が農家を訪問し、
おいしいカカオを生産する技術指導の他、井戸を掘る、学校教育の支援なども行っています。
このうちマダガスカルでの支援で、国際協力機構ジャイカより
「JICAーSDGsパートナー」に食品メーカーとして初めて認定されました。
取材に答えてくださった、サステナビリティ推進部の山下舞子さんによりますと
コロナまでは毎年のように社員がカカオ農家を訪問し、
「これがあなたが作ったカカオでできたチョコレートだ」とチョコを渡すと
とても喜んで、もっとおいしいカカオを作るにはどうしたらよいか、
ディスカッションも始まり、よい循環になっているとか。
「メイジ・カカオ・サポート」を通してカカオ農家が生産したカカオ豆を100%使って
作り上げたチョコレートが「明治 ザ・チョコレート」
ベネズエラ、ブラジル、ペルー、そしてドミニカ共和国と、
4つの産地別に違うカオリと味を楽しむことができます。
他にも「アグロフォレストリー」農法で作られたチョコレートも…
アグロフォレストリーとはアグリカルチャー「農業」とフォレストリー「林業」を掛け合わせたコトバ、「森を作る農業」と呼ばれています。
荒廃した土地に、生態系にならった形でカカオなど様々な植物を植林し、森を再生させる農法です。
パッケージは4種類。
森に種を植えて、芽が出て育っていく様子が描かれています。