2021.01.03
「ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」
伊藤 佳子
SDGsの理念は「誰一人 取り残さないために」
今週は「ロービジョン・ブラインド 川柳コンクール」についてご紹介します。
「ロービジョン」のローは低い ビジョンは視力という意味
視力が低くなって 見えにくくなった方を総称して「ロービジョン」といいます。
このコンクールは、視覚障害に因んだテーマを
当事者だけでなく、家族や友人、医師、一般の方などが
それぞれの視点で「五・七・五の川柳」にして
社会全体で共感できることを目的としています。
第1回のコンクールで、およそ2000句の中から最優秀賞を獲得された
大阪府堺市の山本進さんの川柳は
「死ぬまでに 妻とやりたい にらめっこ」
山本さんが網膜色素変性症と診断されたのは36年前。
治療法がなく、失明の恐れもあるということで、大きなショックを受け
それから10年ぐらいどん底、会社も50才で辞めたそうです。
読書や登山が好きだった山本さん。
川柳は病気が進行していく中で、代わる趣味をみつけないと
そのまま人生終わってしまうと思ったとき、
たまたまみつけたのが毎日新聞の川柳欄、以来30年川柳を作り続けていらっしゃいます。
10年ほど前には、句会「川柳もやい傘」を結成、全国からメンバーが集まっています!
また、第2回のコンクールで最優秀賞に輝いたのは
大阪府の中田有一さんの川柳
「ありがたや 券売機のない ラーメン屋」
中田さんは、川柳について
「限られた文字数の中でどれだけ物事が伝えられるか、思いを伝えられるか
そういうのをひねくり回す面白さでしょうね」と話します。
川柳を作るようになったきっかけは、
晴眼者と目の不自由な方が一緒にアウトドアを楽しむNPO法人「かざぐるま」の会報に
あった「俳句の窓」への投稿だそうです。
視覚障害は、情報障害と移動障害と言われているそうですが
コンクールを主催する「メガネの三城」事務局の神田信さんは
視覚障害になったとき、助けになる様々な団体があるといいます。
目が見えなくなった時、どうしたらいいのかわからない、情報がとれない、という方は
様々な協力団体が掲載され、リンクがはってあります。
例えば、中途視覚障害者の復職を考える会「タートル」
全国規模でネットワークを持っているので
何かいいヒント・情報がとれるのではないかということです。
「日本眼科医会」会長 白根雅子先生も
目の見えにくい方々は社会ともコミュニケーションが取れにくく
情報が入らないというハンディがある、
そこで自然に孤独になってしまう方もいると。
川柳コンクールなど様々な活動を通して、人とのコミュニケーションを取ることが
社会に参加する上で非常に大事なことだと話していました。
2021年1月31日まで、
第3回「ロービジョン・ブラインド 川柳コンクール」の作品を募集中です。