戦力外通告・退職で見えた光とは?「ビジネスの退(ひ)く力」高森勇旗 高橋弘樹
様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが色々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。
2023年8月14日、21日の放送では、元テレビ東京で、現在株式会社tonari代表取締役の高橋弘樹さんと元横浜DeNAベイスターズで、株式会社HERO MAKERS.代表取締役の高森勇旗さんをお迎えし「ビジネスの退(ひ)く力」をテーマにトークを展開しました。最初にご自身の退社経験をどうとらえているか、質問しました。
高橋:会社を辞めるというのは、悲しいことですよね。僕だって、テレ東の社長になりたかったし、高森さんだって、大谷翔平になりたかったんですよね。それを退くわけですから、根本的にはネガティブなことですよね。
入山:高森さんどうですか?
高森:全くその通りです。僕の場合は、幸いなことにやりきってポジティブに辞めていった方ですけど、できれば大活躍してスーパースターになるのが一番良かったですよね。
入山:高橋さんは、ご著書のなかで、元テレ東の佐久間宣行さんとか、元日経新聞の後藤達也さんにお話伺っていますが、そういった方々は、会社を辞めたことをどうとらえていますか?
高橋:会社を辞めた人全員ではないですけど、基本ネガティブだと思います。
高森:僕は、辞めて10年経っていますが、かなり受け入れられるようになってますね。辞めた後のキャリアが、充実すればするほど辞めて良かったと思います。
入山:時間の問題ということですね。高橋さん、どうですか?
高橋:俺もそうは言ったものの辞めてよかったなと
入山:ははは
高橋:本当は強い悔しさとかあったほうが良いんじゃないかと思うんですけど。
入山:高森さんは、辞めたときどんなマインドセットがあったんですか?
高森:辞めた瞬間から、「ありがとうございました!」と辞めていきましたが、そうはいっても20年くらい野球やってたわけですから、片想いの人に急にフラレたとしても、急に切り替えられるかと言われたら、そうはいかない。
入山:慣性の法則みたいなもんですね。急に止まれないと。今日のテーマは、退く力ですが、退いた結果ネガティブでしたけど、良かったなという面もあるんですか?
高森:それは、もう圧倒的に。
高橋:俺もちょっと思ってんだよな。
入山:ハハハ。どのへんですか?
高橋:年収の面や自由、チャレンジの幅も広がりますし。
入山:高森さんは?
高森:久々に球場に野球見に行ったら、野球選手って、カッコいいなぁとは思いますが、彼らは初夏の南仏とか、夏に釣りに行くこともできないんだろうなぁと思うと、俺って何て恵まれてるんだと思いますよね。
高橋:話していて面白いのは、ビジネス・経営の人は、「ボジティブ・自信」、クリエイターの人は「ネガティブ・不安」、良いクリエイターは不安がる傾向にありますけど、ビジネス経営の人は、自信ないと成功しないなって。
入山:中にはその両立をさせる稀有な人もいますよね。
そんな稀有な人のお話がこの後続きます。
本日のお客様
高橋 弘樹さん
大学卒業後、2005年にテレビ東京に入社。『家、ついて行ってイイですか?』『吉木りさに怒られたい』などを企画・演出。2021年よりYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の企画・制作統括をスタート。今年2月にはテレビ東京を退社。3月より自身が代表を務める株式会社tonariでビジネス動画メディア「ReHacQ(リハック)」を開設。YouTubeチャンネルの登録者数は8月現在で40万人を突破。また、今年3月には東京ニュース通信社から、退職経験のある著名人と対談を行った「なんで会社辞めたんですか? 経験者たちのリアルボイス」が発売。
高森勇旗さん
2006年に、岐阜県の中京高校から横浜ベイスターズ、現在の横浜DeNAベイスターズに高校生ドラフト4巡目で指名され入団。2012年、戦力外通告を受けて引退し、データアナリストやライターなどを経て、2016年、企業の上級管理職にコーチングを行う株式会社HERO MAKERS.を立ち上げ、代表取締役に就任。6月には日経BPから成果を出すための仕事への向き合い方を紹介した「降伏論 「できない自分」を受け入れる」を発売。
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