「日芽香セレクション」『〈叱る依存〉がとまらない』中元「タイトルだけ聞くと人を叱る立場では普段ないのでピンとくるかなと思いながら読み始めましたが…」
『中元日芽香の「な」』が、8月21日(月)午前7時に更新され、「日芽香セレクション」のコーナーで中元が触れた映画や本、漫画から生き方や考え方、カウンセリングのヒントになるかもという作品について紹介した。
今回、中元が紹介したのは、『〈叱る依存〉がとまらない』。著者は臨床心理士で公認心理士でもある村中直人。2022年2月4日に紀伊国屋書店から出版されている。
この本の公式の引用をまず紹介してくれた。
「叱る」には依存性があり、エスカレートしていく――その理由は、脳の「報酬系回路」にあった!児童虐待、体罰、DV、パワハラ、理不尽な校則、加熱するバッシング報道……。人は「叱りたい」欲求とどう向き合えばいいのか?」
中元は、この本を読んで感じたことを次のように語った。
中元「私も最初タイトルだけ聞くと人を叱る立場では普段ないのでピンとくるかなって思いながら読み始めました。けれど、誰もが叱る依存に陥る可能性があるっていうことの事実だったり、そのメカニズムについてなるべく分かりやすく専門的な言葉をあまり使わない形で紹介してくださっている本です。パワハラとか、バッシング報道とかまさに昨今問題視されている話題で、関心をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。または指導する立場にあるよっていう方とか、この本紹介するよっていうと、なんで人は叱るように陥るんですか?っていう問いがまず皆さん聞きたいところだとは思うんですけれど、それに答えるとネタバレになっちゃうのかなと思うので、概要とかこんなことが書かれていたよっていう程度に止めておきたいなと思いつつ、でもすごくわかりやすい本でした」
叱るとは何か解説されていると言い、叱るについて中元がかみ砕いて語ってくれた。
中元「まず第1章では叱るって何だというところから解説していただいてます。怒るとか罵るとか指導するとか似た言葉がいくつかありますけれど、それらと叱るとの違いを解説されています。2者間に上下関係とか力関係が明確にある場合に叱るって言葉を用いることが多いですかね。その叱るの用語の後にまぁなんで人は叱ってしまうのか。おそらく叱ることは相手を指導するために必要なことであるとか、厳しい指導で人は強くなる。だから、叱ることっていいことだよね。みたいな根深い考え方が染みついているために叱るのではないかっていうふうに村中さんはおっしゃっていました。たしかに叱ることが有効な場面は存在します。なんだけれども、それってすごく限定的なんだそうなんです。いわゆる指導の場面においてはそれほどメリットがないというのが分かってきたそうなんです。メリットよりもダメージとかの方が大きいってことかな。叱ることで、指導をしている側の子供たちとか、行動は変わるには変わるんですけれど、それは叱られないための対処に過ぎず、たとえば部屋を片付けなさいと怒られたから、怒られないために片付けようみたいな。お母さんとしては今後もきれいにしてほしいという願いもあると思うけれど、みたいなそういうことですね。叱られないための対処に過ぎなくて、根本的に相手の行動を変えるアプローチには至らないんですって。なるほどと思いました」
また、叱る人を叱らないことも大事で、叱ったことが無いという人も間接的に誰かを叱っていることがあると本の後半では解説されているという。そちらについては是非本放送で。
『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」
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Profile
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1996年4月13日生まれ。広島県出身。早稲田大学在学中。 日本推進カウンセラー協会認定、心理カウンセラー&メンタルトレーナー。 2011年から6年間、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして活動したのち、2017年にグループを卒業。 自身の経験から、心理カウンセラーになることを決意。グループ卒業後、認知行動療法やカウンセリング学などを学び、2018年にカウンセリングサロン「モニカと私」を開設し心理カウンセラーとして活動を始め現在に至る。