「スクールカウンセラー」にお世話になっていたけれど、夏休みに会えなくなって…中元からの提案「もし可能ならば頼る先を一つだけに絞らない方がいい」
『中元日芽香の「な」』が、8月7日(月)午前7時に更新され、「中元のつぼ」のコーナーで取り上げた「スクールカウンセラー」に関する反響のメールを紹介した。
第91回の「中元のつぼ」でスクールカウンセラーを紹介した。そのスクールカウンセラーに実際に通っていた息子を持つ親からのメールを紹介した。
「私には高校生になる息子がいます。彼はスクールカウンセラーにお世話になっていました。きっかけは、学業不振です。いわゆる進学校に通っていたのですが、成績不振に陥り不登校気味になっていました。幸い学校に週に一度のスクールカウンセラー制度があり、場合によっては、保健室にいるスクールカウンセラーさんのところに直行するような感じで、それでなんとか気を持たせていたようです。しかしそれも夏休みで大きく変わってしまいました。夏休みでカウンセラーさんが来ず会えないこと。そして夏休み直後にいきなりテストがあるということでそれをプレッシャーに感じ完全に心が折れてしまったのです。その後しばらくし、結果的に通信制の高校に転向今も頑張って勉強を続けてはいます。病院にも通っています。当時本人に聞いたところやはり週1で受けられていたカウンセラーさんに会えなくなったことが大きく影響していたようです。スクールカウンセラーさんは二人目だったそうですが、二人目の方は年も近く親にも言えないことも言えていたようです。もし戻れるのならあの夏休みにとも思ったりします。もっとも、それで何か親として変えられたかというと難しいです。親にも学校の先生、担任にもそこまでの話はしていなかったようです。コロナ禍で入学早々学校がオンラインになったことも大きかったのかもしれません。いずれにしても今となっては、わかりません。ただ親として、もし言わせていただけるなら、このような長い休み時間の過ごし方心の持ち方みたいなことについて、触れていただけるとうれしいです。学生さんに限らず同じようなことで悩んでいる人がもしいるのであれば、少しでも気持ちが軽くなるようにと願わずにはいられません」
このメールを受けて、中元は次のように語った。
中元「ということで親御さんの立場からスクールカウンセラーさんについてのメールありがとうございます。91回で紹介しましたね。高校生の息子さんがお世話になっていたスクールカウンセラーさんとの時間が確保できなくなってしまって心が折れてしまったということがあったんですね。スクールカウンセラーさん、夏休みはいらっしゃらないんですね。私がオンラインでやってるカウンセリングでもスクールカウンセラーさんにお世話になっていたけれど、その方がお仕事を辞めてしまったとか、自分が学校卒業してつながりが途切れてしまった。何かこう気持ちのやり場がなくなってご予約いただくっていうこともあります。息子さんにとっては週1回のそのカウンセリングの時間が大きな心の支えになっていたんでしょうね。スクールカウンセラーさんに限らず、このお仕事をしていて感じるんですけれど、継続してお話を聞いていると、このカウンセラーさんがいるから自分はしばらく大丈夫だなって心の支えができるのは、相談者さんにとっては心強いはずですよね。実際に学校に行ける理由として、なんか理解してくれる先生の存在とか、あと友達の存在とか、誰か、人ですね。理由になることってたくさんあるなっていうふうには思います。スクールカウンセラーさんってその学校の他の人以上に深い信頼関係が築ける間柄にはなってきますよね。悩みとかを話したりするので。だからこそ一層、移動とか卒業とか出会えなくなってしまった時の喪失感が強くなってしまいそうだなって思います。でも、夏休みとかスクールカウンセラーさんが別の学校行くとか、疎遠になることを想定しながら関わっていくってなかなか考えられないのが難しいところだなっていうのが、スクールカウンセラーに限らず私がこの仕事をしていて思うところですね。病院のクリニックでいきなり、このカウンセラーさんやめることになったよみたいな話とかあるにはあるので。特に10代の方にとってスクールカウンセラーさんとの出会いが、初めて気を遣わずに話ができてそれを受け止めてくれる大人に出会えたっていう、とても印象的な出会いだと思うんですよね。まだ人と疎遠になることに慣れていないし、自分の心を守る術もまだあんまり多く持っていないために、息子さんは当時絶対的な場所とか、セーフティエリアみたいな空間がなくなったような体験をされたのかもしれませんね。今は転校してお勉強頑張っているっていう報告も合わせてあって安心しました。スクールカウンセラーさんとか、他にもお世話になってる人に長い期間会えなくなる場合の過ごし方や心の持ち方について、何かないですかねってことで、これは難しいなと思いつつ、提案なんですけれど、もし可能ならば頼る先を一つだけに絞らない方がいいよっていうことはやっぱり言われます。一つだけに絞ってしまうとそのつながりがなくなった時にどうしたらいいかわからなくなってしまって、喪失感も大きいので、普段からいろんな頼り先を作っておくとか、話すっていうことだけに限らず自分で気持ちを整理する方法を身につけておくとか、気を紛らわすことができる趣味を持っておくとかっていうことが望ましいとは言われますけどね、難しいですよね。学校側の事情をその児童生徒やその保護者一人の力でかえるっていうのは簡単なことではないですけれど、関わりを持ち始める時っていうのは困ったらいつでも言ってねーなんていいますけれど、持ち始める時だけでなくて関わりが途切れる時のこととか、関わりを終了させる時のことについても真剣に向き合わなければいけないなっていうふうにこのメールを読んで考えさせられました」
『中元日芽香の「な」』は毎週月曜日午前7時に、Podcastにて更新中。
「過去の配信分もこちらから聴けます」
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Profile
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1996年4月13日生まれ。広島県出身。早稲田大学在学中。 日本推進カウンセラー協会認定、心理カウンセラー&メンタルトレーナー。 2011年から6年間、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして活動したのち、2017年にグループを卒業。 自身の経験から、心理カウンセラーになることを決意。グループ卒業後、認知行動療法やカウンセリング学などを学び、2018年にカウンセリングサロン「モニカと私」を開設し心理カウンセラーとして活動を始め現在に至る。