瀬戸大橋手掛ける“長大”のDX戦略…VR活用で技術力アップ!?
- 7月31日放送の「L is B presents 現場DX研究所」は、先週に引き続き、瀬戸大橋や明石海峡大橋を手掛ける株式会社長大 代表取締役社長 の野本昌弘氏が出演。2次元から3次元データへの移行やVRの活用など、DXの取り組みについてお話しいただいた。
松井佐祐里アナ「DX、デジタル化という視点で取り組んでいることは何ですか?」
株式会社長大 代表取締役社長・野本昌弘氏「生産性向上や効率化、安全性の向上です」
L is B代表・横井太輔氏「詳しく教えてください」
野本「3次元データ(BIM、SIM)を全社を挙げて取り組んでおります。今まで2次元のデータで橋梁や道路の設計、あと、電線共同溝という電柱を地下に埋める設計をやってきました。それを三次元データとして立体的に見えれば、設計する方も、工事する方もイメージがしやすいということで、どんどん3次元に移行している状況です」
横井「このデータの活用で何か変化はありましたか?」
野本「ある程度の技術力がつかないと、2次元図面を3次元立体に見るっていうのがなかなか難しい。3次元であればそのまま形にできるので、設計する方も工事する方も非常にとっつきやすい。間違いも気づきやすくなる。あと教える方も3次元であれば“ここはこういう構造になってるんだよ”と教えやすい」
横井「VRを用いた橋梁点検学習ツールっていうのが取り入れられているということですが、これは何ですか?」
野本「要は、橋梁点検とか道路構造物の点検をしようとした時には、現場に行って直接それを見て、どこが傷んでるかを見るわけですけど、そうすると時間もかかりますし費用もかかる。新入社員がいろんな橋梁を見て、いろんな損傷を勉強してどういうところに問題があるのか?というのを理解するためには、やはり数年業務をやらないと身につかないんです。しかし、あたかも現地に行ったような形でVRゴーグルをはめていろんな橋梁が出てきて、そこにどういう損傷があるかがわかれば、現地に行かなくても早く学習して技術力が身につく。ですから、若手の研修用にそういうものを開発しております」
横井「導入のきっかけは何だったのですか?」
野本「やはり技術力を身に付けるには時間がかかるということです。土木インフラの設計というのは単品生産ですので、同じものをいっぱい作るわけじゃないので、いろんなことを経験しながらでないと技術力が身に付いていかない。そんなに時間をかけてられない。今、少子化の時代なので早く覚えてもらって、実践で活躍してもらいたいというところがあります。もう一つは海外に子会社がいくつかあるんですけれどもそこの技術者にも早く仕事を覚えてもらうために、英語化したものを作りました」
横井「言語の壁を、ビジュアルで越えられますもんね」
「L is B presents 現場DX研究所」は毎週月曜20時~20時30分まで文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。日本最大級の音声プラットフォーム「Voicy」でもアーカイブ配信しています。
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この記事の番組情報
L is B presents 現場DX研究所
月 20:00~20:30
『温故知新』をテーマに、建設業や小売業など現場向けのビジネスチャットツール『direct』などをリリースする会社L is Bの横井が、様々な企業の代表者と対談…