「実はテロ組織をやめたい人はたくさんいるんです」紛争地帯のテロリストに投降を呼びかけ続ける永井陽右さん

「実はテロ組織をやめたい人はたくさんいるんです」紛争地帯のテロリストに投降を呼びかけ続ける永井陽右さん

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世界の紛争地帯でテロなどの解決に取り組んでいるアクセプト・インターナショナル代表理事の永井陽右さんが6月26日の大竹まことゴールデンラジオに登場。どんな環境でどんな仕事をしているのか伺った。

大竹「この後、日本にはどのくらいいらっしゃるんですか?」

永井「もう、あした出国します。アフリカ・ソマリアの現場です」

大竹「永井さんは主にイエメンとソマリアで活動をなさっています。まずイエメンとソマリアは、どんな国なのか教えていただけますか?」

永井「ソマリアはアフリカの東側に位置している国で、1980年代からずっと内戦が続いています。いわゆるイスラム過激派組織が台頭して今も非常に強く、主に彼らとの紛争が続いています。イエメンは中東の南の方にあり、こちらも複雑な紛争状況ですが、武装勢力のフーシ派が首都サナアを取ってしまったので、硬直状態が続いています。」

大竹「そんな紛争地域で永井さんはどんな仕事をしているんですか?」

永井「非常に特殊な仕事です。主にテロ組織やイスラム過激派組織から投降できるような場を整えて、自発的に離脱をしていただいて、投稿兵や捕まって刑務所にいる受刑者・戦争捕虜の、脱過激派化と社会復帰の支援をやっています。」

大竹「非常に危険でもありますね。現場にいるときはどういう格好、というか装備を使うんですか?」

永井「それこそ防弾チョッキは最高レベルのものを付けて、あとは爆発がすごくよく起きるので腕や足が吹き飛んだ時用の止血道具を付けて、防弾車と装甲車とか、前線に行く時は武装ヘリで移動することもあります。お金もかかるんですよ。」

大竹「紛争地域では政府軍と行動するんですか?」

永井「基本的には政府軍と連携をしていて、あとソマリアですと「アフリカ連合」というアフリカの国連みたいなものがあるので、その部隊とも連携したりします。」

大竹「過激派の中に、もうやりたくない人がいるんですか?」

永井「武器を置きたいという人たちは実はたくさんいます。ただ離脱したら裏切り者ですから、テロ組織は処刑すると言っていて、だからこそ武器を置ける環境を作らなければいけないんです。」

大竹「そのためホットラインを用意しているんですよね。」

永井「現地の情報機関と連携して4桁のフリーダイヤルを持っています。それでラジオ局と共同して、テロ組織の支配領域の方に放送したり、リーフレットを軍の部隊が持って行ったりして、その電話にかけてくれたら投降のプロセスが始まるような仕組みになっています。」

大竹「もちろん、電話には投稿したい人もかけてくるでしょうが、それだけじゃありませんよね。」

永井「ホットラインには本当に毎日いっぱい電話くるんですけれど、4割ぐらいはテロ組織からの脅迫ですね。」

大竹「どんな内容の?」

永井「直接的に「お前たちを許さない、必ず殺してやる」ってのもありますし、暴言だけ吐いてガチャッと切られる時もあります。」

大竹「簡単に言うけど、よくやってますね。」

永井「でも本当に誰かがやらなければいけない非常に重要な仕事なんです。ソマリアでもイエメンでも、いわゆるテロ組織が支配している場所がいっぱいあるので、そこに住んでいる子どもや若者たちは拒否権がありません。生きるために彼らに従わなければいけない。もうみんな兵士になります。否応がなく訓練所に連れて行かれて、3ヶ月間洗脳と軍事訓練を受けて、その後前線に借り出されます。望んでやってない人がたくさんいるわけです。彼らを誰がどう救えばいいのか、なかなか策がないんです。だからこそ我々のような取り組みで、彼らが違う生き方を実現できる場を作る。憎しみの連鎖から離脱できる場を作るという理解でいます。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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