線状降水帯、四国~東海を直撃…関東も記録的豪雨で被害発生
文化放送をキーステーションに全国32局の制作協力で月曜日から金曜日の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。
6月2日(金)~3日(土)にかけて、大型の台風2号が日本付近に停滞する前線に暖かく湿った空気を送り込み、広い範囲で記録的な大雨となりました。
2日には高知、和歌山、奈良、三重、愛知、静岡の各県に次々と線状降水帯が発生。
愛知は午後3時51分、愛知と静岡ではさらに午後4時10分と午後7時51分に再び発生しました。
静岡や愛知では24時間に500ミリ近い雨が降り、関東でも茨城などで観測史上最も多い雨が降った所がありました。
3日の朝、雨雲は次第に関東から東へ抜けていきますが…
(以下 図表は気象庁HPより)
天気が回復しても増水した川や、大雨で地盤が緩んでいる崖の近くなどには近寄らないようにしてください。
気象庁のHPでキキクルをみると…
最新のキキクル(危険度分布)は気象庁のHP土砂キキクルや洪水キキクルでご確認ください。
被害も発生しています。
愛知県豊橋市では軽乗用車が水没し男性一人が死亡、浜松市では土砂崩れにあった家の住人と連絡が取れず…。
和歌山県紀の川市や紀美野町では、増水した川に人が流されたとの情報があり捜索が続いています。
関東でも埼玉県越谷市や茨城県鉾田市、神奈川県町田市など各地で、浸水や土砂崩れなどの被害が発生しました。
運転を見合わせていた東海道新幹線は3日正午ごろにおよそ22時間ぶりに全線で運転を再開しましたが、交通機関にも大きな影響が出ました。
6月4日に埼玉県越谷市の浸水被害にあった場所を取材しました。
せんげん台駅前のコンビニや書店は休業中…
新方川周辺地域で急な大雨で排水が追い付かず「内水氾濫」が発生。
浸水場所からポンプで水をくみ出す作業が進められていました。
住民に話を聞くと
「40~50センチ水がたまった。水が引くまで、1日買い物も行けない。一番困ったのはトイレ。水は出るけど流したら戻ってくる、排水ができず、水が使えない。」
「金曜の夜は新方川が氾濫危険水位を超えたので警報が鳴って、すごくこわかった。膝上まで水がきた。」
畑が被害にあった農家の方は
「60センチくらい水がたまり、回りの道路は冠水。車2台動けなくなっていた。
トマトきゅうりも3割ぐらいはもうダメかと。こんな早い時期にこんな大雨は初めて」とジャガイモを掘り起こしながら話してくれました。
ここ数年7月上旬にこういった台風と前線絡みの被害が発生していましたが、まだ6月上旬…。
雨の降り方は変わってきています。
1時間に80ミリ以上の雨や1日の降水量300ミリを超える大雨は、30年ほど前にくらべおよそ2倍に増えています。
雨の量だけでなく、大雨の時期も少しずれてきているのかもしれません。
先月5月にも出水期をさけた日程で工事をしていた兵庫県伊丹市内を流れる天神川の堤防が季節外れの大雨で決壊。
「出水期」の定義の見直しを検討すべきという声も上がっているとか…。
想定を超える雨にも備えておきたいものです。
気象予報士 防災士 気象庁担当記者 伊藤佳子