カツ丼は「脳」にいい!脳科学者が絶賛する理由を解説…甲子園の試合前にもオススメの勝負飯だった
脳にいい食事とはどんなものなのか?6月2日の『くにまる食堂』は、脳科学者の西剛志(にし・たけゆき)先生をお招きして、野村邦丸アナが根掘り葉掘り聞き出した。
邦丸「体にいい食事と言えば、皆さんも知識をお持ちだと思うんですが、「脳にいい食事」もあるんですか?」
西「そうですね。脳というのは大食漢で、質量は体の2%しかないんですけど、20~25%のカロリーを消費するんです。なのでエネルギー不足になると脳の機能がダウンしてしまうんですね。例えばお腹が空いているときに、イライラする人っていませんか?」
邦丸「あっ、分かる分かる。」
西「すると集中力や記憶力まで落ちてしまうという傾向があるんです。なので脳にエネルギーを供給することが大事で、それが食事の役割の一つだと思うんですね。」
邦丸「将棋の世界では羽生善治さんが1日の対局で4キロ痩せるっていうんですよ。体は動かさないけど脳を使っているってことでしょ?」
西「その通りです。羽生さんはAIで言うと4億手ぐらい計算しないとできない手を打つそうなんですね。新聞記者の方が羽生さんに聞いたところ、「もし自分が考えていることを人にやってもらったら、多分オーバーヒートして煙が出てしまう」とおっしゃっていたそうです。それぐらい脳を使っているのでカロリーを大量消費するらしいんですね。」
邦丸「脳のベストパフォーマンスを引き出すには「低GI食」がいいって聞いたんですが、どういうものですか?」
西「もともとカロリーは必要なんですけど、たくさん食べてもお腹が空いている時ってありませんか?あれは血糖値スパイクという現象で、大量に食べ物を摂取すると急激に血糖値が上昇するんですが、高すぎると脳によくないので、脳が指令を出して大量のインスリンを分泌するんです。そうすると、ジェットコースターみたいに急激に血糖値が下がってしまうんですね。なので、たくさん食べても血糖値が低い状態、脳に栄養が行っていない状態になってしまうんです。例えばランチを取ると眠くなったりとか、仕事に集中できない時があると思うんですが、これは血糖値スパイクの状態かもしれません。」
邦丸「腹を空かして昼飯をかっこんで「あー、食ったー」と思ってもなんか眠いなーとか、それは低血糖になっちゃってる可能性があるわけですね。」
西「そうなんですよ。そうなる食事のことを「高GI食」って言うんですね。GIっていうのは簡単に言うと、ブドウ糖を取った時の血糖値の上昇を100とした時にどれくらい上昇するかっていう値なんです。血糖値があまり上昇しないものを「低GI食」と言って、これを取ると血糖値が緩やかに上がって維持して緩やかに下がっていくんです。すると長い時間脳にエネルギーを供給できますので、記憶力とか集中力もアップしやすくなる効果があるんです。」
邦丸「その低GI食は何ぞやっていう話で、「カツ丼が結構いい」って聞いたことあるんですが、どうなんです?」
西「ご飯は「高GI食」なんですけど、組み合わせによって「低GI食」になったりするんです。その1つがカツ丼なんですね。実は肉をとってからご飯をとると、セカンドミール効果といって肉や卵のタンパク質がクッションになって血糖値の上昇が緩やかになるんです。しかも揚げるのに使う油が腸に膜を張って糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇が緩やかになる効果があるので、カツ丼は意外といいんです。私もびっくりしました。」
邦丸「よく夏の甲子園に出る代表校が、試合前にカツ丼食うっていうけど、あれは験担ぎ以外の何ものでもないと思ってたら理にかなってたんだ。」
西「しかも、験担ぎにも科学的な効果があるんです。ドイツの研究では、ゴルフのパットをする時「普通のボールです」と言って渡したグループより、「これは幸運のボールです」と言って渡したグループの方が、パットの成功率が35%アップしたそうです。験を担ぐのは意外と脳のパフォーマンスを上げる効果があるんです。だからカツ丼は「低GI食」としても、験を担ぐ意味でも最高の食事だと。別にカツ丼の売り込みしてるわけじゃないんですけどね。(笑)」
「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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