「謎」と「格好いい」に溢れた!? 「博士」ソングを大特集!
5月7日の「鷲崎健のヒマからぼたもち」(文化放送)、『タケスクリプション 日曜名曲集』の選曲テーマは「博士」でした! この日が「博士の日」だったことにちなみます。
鷲崎健「1888年に植物学者の伊藤圭介や物理学者の山川健次郎をはじめ25名に日本初の博士号が授与された、と。『博士』というテーマでいろんな曲を集めてみましたので、聴いてください。1曲目、実川俊晴さんですが、『実川俊』名義での曲ですね」
♪「博士の浮気」/実川俊晴(実川俊)
鷲崎「実川俊さん名義時代、『ふりむけば50億』というアルバムからの曲でした。1972年にフォークロックバンド、マギーメイというのを結成されまして。それ以前にもキャリアはあるんですけど。
マギーメイを結成してからアルフィーの面々がすごく評価していたらしいですね。79年に『実川俊』名義になり、このアルバムが出たのもその時期です。その後はテレビにちょこっと出た……のかな? とても評価されたんですけど、すでにスタジオ録音、スタジオでのワークスの魅力にとりつかれて、ほとんど顔出しすることはなかったみたいです。1990年、あんしんパパ名義で『はじめてのチュウ』をリリース」
久保朱莉「あっ、『はじめて~のチュウ♪』」
鷲崎「……の人です! この人が、あんしんパパの正体……というのも変ですけど。昔、マギーメイ時代に録音した楽曲を、あんしんパパの名義のアルバムでセルフカバーなんかされています。『はじめてのチュウ』のリリース以降、人前での活動というのは、ほぼ行なっていない、謎の方」
久保「もしかしたら居酒屋で隣にいらっしゃるかもしれない!」
鷲崎「そうかもしれないけど『あれ、ひょっとして?』ってなりづらいでしょう(笑)。あんしんパパの声でしゃべっているならアレだけど。続いての曲をお聴きいただきましょう」
♪「かじれ ガリガリ博士」/光井章夫&園田憲一とディキシー・キングス
鷲崎「楽しんでいらっしゃいますか、皆さん(笑)。1972年に発売された『老人探偵団とガリガリ博士の犯罪』というアルバムがありまして。寺山修司さんの舞台劇で使われた音楽のコンピレーションアルバムです。すべての作詞を寺山修司さん、すべての作曲をイラストレーターの和田誠さんが行なっているという。和田誠さん作曲集、みたいなアルバムも別で出ていますし、そこで平野レミさんも歌っています。
和田さんと寺山さんはもともと学生時代から交流していて、お願いするという流れができて。寺山劇ってJ・A・シーザーの、呪術的なおどろおどろしいイメージがあるんですけど、こういう側面もあったということですね。
光井章夫さんは日本のルイ・アームストロング、日本のサッチモ、というあだ名で有名です。子供ソングなんかも歌っていらっしゃる。園田憲一とディキシー・キングスは日本を代表するディキシーランド・ジャズバンド。60~70年代に活躍されて、その辺の歴史を調べても相当おもしろいので、オススメでございます。続いてはグッと新しい……といっても91年の曲ですけど(笑)」
♪「博士テストの時間です」/田原俊彦
鷲崎「いかがですか、皆さん。格好いいでしょう?」
久保「はい。Twitter(#鷲崎もち)でも『トシちゃん、音がかっけ~』というつぶやきがあります!」
鷲崎「ニュージャックスウィングの流れというのが89年辺りから起きて、海外の中でもストリートのヒップホップと、もう少し洗練されたソウルみたいなものが合体して、そのどちらでもあってどちらでもない、みたいな音楽があった。
僕は岡村靖幸ファンなので、この曲を聴くと『岡村ちゃんっぽい!』と思ってしまいますけど、いろんなシーンでニュージャックスウィングの流れみたいなものが複合して日本のポップシーンにもあったんだと思います。トシちゃん……と言ってしまいますけど、トシちゃんの声って『シャウトって格好悪いじゃん』みたいに聴こえてくるというか。シャウト、熱量、というのじゃない洗練というか。そういう格好よさがある。
90年代初期・再評価の中に『田原俊彦』、入っていいんじゃないかと思っています。続きましては、短いんですけど、変わった曲です」
♪「IQ博士」/梅艷芳
鷲崎「梅艷芳(アニタムイ)さんは、香港の歌手、および女優ですね。80年代以降、絶大な人気を誇った、中国のスーパースターだったらしいです。中国、香港を代表する女性歌手として愛されましたが、残念ながら40歳という若さでお亡くなりになりました。
『アジアのマドンナ』とまで言われた梅艷芳が、なぜ『アラレちゃん』(の主題歌)を歌っているのかは……わからないです! 原曲というか日本版と比べてみると、打ち込みの頭のリズムのとり方が違うというか、そこまでちゃんととっていないというか。ベースの進行の流れも、あまりオンコードっぽくない。
でも機材も違うでしょうし、自国でどう再現したのか、みたいなところも、おもしろい曲でしたね。続いては最後の曲です!」
♪「ナンジャモンジャ博士」/万代陽子
鷲崎「万代陽子さん、調べても調べても情報がほとんど出てこなくて。僕が持っている『カッコイイ10人〈東京ジャズ喫茶めぐり〉』というCDがあるんですけど、その歌詞カードごと持ってきました。
プロフィール、43年4月15日、大阪生まれらしいですね。NHKの素人のど自慢大会で大阪地区代表になったことがきっかけでスカウトされて。『ドドンパNo.5』という曲でデビューを飾っています。レコードは63年までに全7枚かな、それしか出ていません。
歌謡曲ではない、かといって外国製のヒットソングでもない。中間的な、真に日本人に合ったオリジナルをどんどん歌っていきたい、といったことの答えというか、ひとつの方向性がこういう曲だったわけですね。万代陽子さん、本当に格好いいんです! いつかかけたいと思っていました。特集してもいいぐらいなんです」
久保「同じ時代を生きてこなかったのに、懐かしい感じもするし、新しい感じもする。聴いていてすごく心地いいというか」
鷲崎「この声なので、メチャクチャ格好いい曲も歌っていらっしゃって。60年前の曲ですけど『うわ、ナンジャモンジャ博士、懐かしい!』なんていう人がいたら、FAXなりなんなり送ってほしいと思います(笑)」
「鷲崎健のヒマからぼたもち」は日曜午後2~4時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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