人間にできて、ChatGPTにできないものとは?「ChatGPT時代の歴史思考」

人間にできて、ChatGPTにできないものとは?「ChatGPT時代の歴史思考」

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様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。

2023年4月24日、5月1日の放送では、株式会社COTEN 代表取締役CEOの深井龍之介さん、フィラメントCCO宮内俊樹さんをお迎えして、「ChatGPT時代の歴史思考」をテーマにトークを繰り広げました。

入山:宮内さんはChatGPTを使っていますか?

宮内:はい、特に研究テーマを紐解くときは聞いてみると、漏れなく全部ほしい情報が出てきますね。

入山:僕も、経営学でトップクラスの海外の学術誌向けの論文を書くと、これまで2年かかっていた論文が、僕の肌感覚では3週間で出来上がりますね。こういうものが発達したとして、人間の価値を発揮できそうなのはどんなことでしょうか?

宮内:アイディアを出すことです。イノベーティブというか、点と点を結ぶのは人間のひらめきや蓄積によってできますが、ChatGPTは多少、答えを丸めてに出しきますね。だからこそ、人間のやれる領域はまだまだ、あるんじゃないかと。

入山:深井さんは、ChatGPTの登場をどうとらえていますか?

深井:僕たちも、仕事の中で使っているし、世界史のデータベースにもどう生かせるか、議論しているのですが、確率論で出してくるのがミソだと思っています。ChatGPTは、次に出てきそうな言葉の確率が高い物を出している性質があるわけじゃないですか?最後の最後はどうしても、残るのが新しい価値観の付与ができない。つまり、人間って急にまぁまぁ新しいこと言っていて、それがそこそこ皆に受け入れられる意見を言う人が出てくるんです。

入山:例えば、どういうことですか?

深井:マルクスなんか、そうですね。新しいことを言って、正しいかどうか、理解しているか別として、それでも受け入れられるという現象が、世界史で起こっています。これは、データ学習のChatGPTには起こせないし、学習した結果、一番言いそうなことをいっているだけなので。過去の人間がやってきた言説の多い物には精度の高い答えが出るのですが、まだ語られていないことを語り始めることや、そうした考えでコンセンサスを取ることはできないです。そこに人間の仕事が残っていると思います。

入山:既存の価値観の中で物事を効率化するのには、ChatGPTは向いていて、一方で、これからは新しい価値観が出てきて、そっち側は人間の仕事としてシフトするんじゃないですかね。



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本日のお客様
深井龍之介さん
大学卒業後、大手電機メーカーの経営企画に配属。その後、複数の企業を経て2016年には、歴史領域をドメインとした株式会社COTENを設立。会社を経営する傍ら人気ポッドキャスト番組「コテンラジオ」のパーソナリティも担当。


宮内俊樹さん
宮内さんは、大学卒業後、出版社で15年間、雑誌編集者として勤務。2006年には、ヤフー株式会社に入社しYahoo!きっずやYahoo!ボランティアの担当、社会貢献サービスや、Yahoo!天気、防災といったサービスの統括を担当。オリジナルメディア「Future Questions」の編集長を経て、現在は株式会社フィラメントCCOなど多方面で活躍。


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