近田春夫72歳「記憶があるうちに…」グループサウンズと“タレントを長生きさせる延命措置”を語る
文春新書から著書「グループサウンズ」が発売中の音楽家、近田春男さんが4月24日の大竹まことゴールデンラジオに登場。GSブームの話しからあちこちに脱線し、タレント生命を延ばすノウハウについても解説した。
大竹「本ではなぜグループサウンズを取り上げようと思ったんですか?」
近田「それはですね、グループサウンズが一番盛んだった5年間ぐらいのとき、自分は中学の終わりぐらいから高校いっぱいぐらいだったんですね。非常に多感な時期に、最初すごく盛り上がったものが、あれよあれよという間に滅んでいってしまったんです。ですから僕らの世代の人間にとっては、グループサウンズってなんとなくイメージがあると思うんですよ。大竹さんもあるでしょう。」
大竹「はいはい。」
近田「でも今の若い人たちは、例えば「ショーケン」つってもね、昔「ザ・テンプターズ」ってグループにいたって部分は知らないんですよね。そういうことを若い人たちと話していくうちに、自分が普通に、当たり前に知っていることでも、みんなほとんど知らないってことにだんだん気づきまして。当時のグループサウンズの音楽ってヘンテコリンで面白いし、あと絵面も面白いし、いろんな逸話もあるし、これは一つGSっていうものをね、僕も今72歳で記憶も薄れていく中で、今のうちに自分に対する備忘録としても、何か書き残しておきたいなっていうのが動機でした。」
大竹「グループサウンズの全盛って「ザ・スパイダース」ぐらいから始まるんですか?」
近田「そうですね。ただスパイダーズが生まれた時っていうのは、まだ「グループサウンズ」って名前はなかったんですよ。その時代はまだ「エレキバンド」みたいな感じで。グループサウンズっていう言葉が定着したのは、「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」がレコード大賞を取った「ブルー・シャトウ」っていう曲がヒットしたあたりからなんですよ。それがたぶん67年ぐらいからだと思うんで、そっから大体71年ぐらいまでかな。しかも後半は本当にみじめな感じでした。」
大竹「え、5~6年?」
阿佐ヶ谷姉妹・美穂「ずいぶん期間が短いんですね。」
近田「今はアイドルって言ったって、15年20年ってやってるじゃないですか。だから今は「延命措置」のノウハウってことに関してはものすごいものがあるんだと思うんですよ。」
大竹「なるほど。」
近田「本当はそんなもんなんですよ。ビートルズだって短いですもんね。7年ぐらいですもん。昔の人気者なんていうのは、みんな「一発屋」って言われてね、一曲ヒットが出て、その一曲で一生キャバレー回って食っていくっていう、そういうもんだったわけですから。」
大竹「その中で、例えばスパイダーズなり、そういうグループの人たちの中に社長さんになる方も、おいでになります。」
近田「田辺昭知さん(ザ・スパイダースのリーダー兼ドラマー)がね。」
大竹「そうすると、1回当たったタレントが長く生き延びるようなことを、グループサウンズが終わった後から考え始めたってことですか?」
近田「タレントを長生きさせる「延命」のノウハウっていうものを、私が見ている限りで最初に築き上げたのは、今のアミューズ会長の大里洋吉さんですね。もともと彼はナベプロにいて、グループサウンズの時にはもういろんなことが手遅れだったんですけど、その後キャンディーズのマネジメントをやっていました。キャンディーズは解散をするまで、そんな大ヒットもなかったんで、とにかく1位のヒットを作りたいっていうことで〇〇したんですよ。」
近田さんの言う「延命措置」がどうやって築かれたのか?気になる方はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。
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