「韻を踏まないと通らない道がある」KREVAの歌詞の作り方
「おとなりさん」(文化放送)のゲストコーナー「10時のおとなりさん」の4月5日のゲストに、HIP HOPアーティストのKREVAさんが登場! KREVAさんの曲の根幹にあるテーマの伝え方とは?
鈴木おさむ「僕、ラッパーの方との飲み会に参加したことあるんですけど、酔っぱらってくると、韻を踏むゲームみたいなことやってたんですよ。“すごい! 本当に韻踏むんだ!”と思って(笑) あれって、特訓というか……」
KREVA「そうですね。特殊技能だと思います。それこそフリースタイルとかも特殊技能だと思うし、“韻を踏む”ってのはシステムを理解して、癖を付けておくと勝手に踏んじゃうとというか。そういうレベルまでやっておくと歌詞もすらすら出ると思うんですけど、そこ超えるとさらにハードルが上がるし、制約も増えてくるんで大変になってきますね」
鈴木「歌詞を作るときは、言いたいことがあって同時に韻を踏んだ言葉が出てくるんですか?」
KREVA「韻がトリガーになるというか、韻から出発して言いたいことを固めていくことが多いかもしれないです」
鈴木「なるほど!」
KREVA「自分の言いたいことって集約すると“向上心”って感じなんですよ。“まだまだやれる”とか“俺もっといける”とか、そういう話になってくるんで、“それをどう言うか?”っていうのが今は大事で、韻を踏まないとしない通り道があるんですよ。そこを通っていきたい感じです」
鈴木「僕は“夢が破れる”っていうテーマが好きで、お笑い芸人という明るいものを目指しているのに、それを諦めた人たちの話とか。そういう悲しさから出てくる話が好きで、色んな作品を書くとそういうのが出てきてしまうんです。以前は、“作品ごとに変えなきゃ”と思っていたんですけど、途中から“同じ人が書いてるんだから、訴えることのパーツが同じでもいいじゃないか?”と思うようになったんです」
KREVA「たしかに! “根幹”というかね? 俺、最近つくった歌で“これ良いわ~”と思ったら、昔まったく同じ韻のセットを使っていた、ってことがあったんですよ(笑) そこは避けたいですけど、自分の色って消そうと思っても消えないし。結局、自分が好きなものって出てきちゃうんですよね。そこは否定しないで作っていく感じですね」
鈴木「この10年で“ラップ”とか“ヒップホップ”が、ようやく日本人のカルチャー、生活にだいぶ入ってきたじゃないですか?」
KREVA「そうですね。街で輪になってラップしている少年を見たりとか、普通になってきましたもんね」
鈴木「ダンスも、ブームがあってから思ったより時間かかって、ようやく学校の授業になったり」
KREVA「本当ですよね。オリンピック競技になったりね」
鈴木「ラップもさらに変わってくると思いますか?」
KREVA「実際変わってきてると思うし、自分が求めていた姿でもあるんですけど、昔だったら東京のシーンとかにいないと芽が出てこなかったものが、パソコンがあればどこにいても出てこられるんですよ。世界でも、慈善事業でアルゼンチンの子どもたちにパソコンを配ったら、その子たちが音楽を作り出してアルゼンチンにヒップホップシーンが生まれた、っていう話があって。色んなところから色んな人が出てくる可能性があって、より根付いていくんじゃないかという気がしているし、それを希望してます」
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