村上信五くんと経済クン「退職代行サービスと経済」

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【退職代行サービス「EXIT」代表 新野俊幸（にいの・としゆき）さん】
平成元年、神奈川県鎌倉市生まれ。大学卒業後、とりあえず大手に就職するも１年で退職。
暗黒のニート時代を経て、また大手に就職するが、やはり１年で退職。
会社を辞める際、両親や上司に猛反対され、精神的な苦労を味わったことから、日本独特の「やめる＝悪」という空気感に問題意識を持ち、「退職代行」を発明。
“この世から退職できずに悩む人をなくしたい”と、2017年にEXITを創業した。
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【退職代行サービスのハイシーズンは？】
５月。新入社員が４月に入社して、１ヵ月間勤務して「やっぱり違うな」と思ったりして退職することが多い。「五月病」というのは本当にあるのだなと感じる。退職代行サービスを始めたのは新野さんが最初だが、今、退職代行サービスの事業者は30～40あり、シェアの奪い合いとなっている。
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【利用者はどういう人が多い？】
20代前半の人が多い。昔は会社の情報がオープンではなかったが、今は仕事内容や年収など調べたら出てくる。他の会社の状況が見えやすいため、自分の会社と比較しやすく、早めに退職する若者が増えているのではないか。
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【印象的だった退職の理由】
巫女さんなど意外な職種から依頼が来ることも多い。辞める理由は様々だが、セクハラなどもある。社長からセクハラされて部長に相談したらその部長にセクハラされたなど…。辞めるまでの期間も何をされるか分からず怖いため、退職代行サービスを申し込んだ、という人もいる。
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【値段は？】
あらゆるケース、２万円（税込み）で対応している。弁護士事務所などに頼むと３～５万円かかる。EXITが業界最安値だと思っている。会社以外でも、ジムの退会など言いにくいものなども受け付けている。簡単なものだと１万円ほどで受けてもらえる。
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【お願いする場合はどういう手順を踏めば良い？】
明日から会社に行きたくなければ、EXITの公式ラインに相談を送った時点で行かなくて良い。法律上は退職届を出してから２週間で辞められる。しかし、その２週間も出社の義務はなく休める。退職の意思さえ出してしまえば、極論明日から行かなくて良い。退職届さえ出せば辞められる。ただ、気持ちの面や引継ぎ、会社に置いた私物が気になってそうできない人が多い。EXITにお願いすれば、窓口がすべてEXITになるので、電話がかかってくることもない。辞めるまでのお給料もきちんと振り込まれる。辞めたくても言えない雰囲気にしている時点で、会社側にも責任がある。
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【新野さんが退職代行サービスを始めようと思ったきっかけ】
自分が会社をやめづらかった経験から。最初、通信大手の会社に入ったが、上司との関係性が悪く１年で退職。その時、家族や友達など周りの人に相談したが、全員に「まだ早い」と引き留められた。「自分の人生なのになぜこんなに周りから止められるんだろう」と違和感があった。その声を無視して辞めた経験を３回くらい繰り返した。３社目では活躍していたが、それはそれで「君がいなくなったら困る」と言われて辞めづらかった。どんな状況でも会社は辞めづらく、同じようなことで悩んでいる人がたくさんいるのではないか、少しでも力になりたいと思い「EXIT」を立ち上げた。
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【なぜ日本は仕事を辞めることに寛容ではない？】
集団意識が非常に強いため。また、続けることが美徳とされていて、すぐに辞めることに対して罪悪感を抱いてしまう。これはひとつの呪いではないか。
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【仕事の現場を良くするには？】
無駄に怒らないことが大切。その人に合った言い方をするのが今の時代には合っている。
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【退職代行サービスについて“筋を通してない”という意見について…】
筋を通すのは一見かっこいいことだが、それを優先して潰れてしまうと意味がない。それで自殺してしまう人もいる。まずは自分の幸せを優先して考えて、自分の人生を生きることが大切。
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お話を伺うと、退職代行サービスは今の時代に必要なものだなと感じました。EXITでは退職後、転職のサポートも行っているとのこと。もちろん、何の理由もなくすぐに辞めてしまうのは良くないですし、忍耐も必要。自分の意思を自分で伝えることは大切だと思いますが…それよりも何より大切なのは心と身体の健康。退職を伝えることが強いストレスになったり、様々な事情があって言いにくい場合は退職代行サービスに頼ることも選択肢のひとつなのかなと思います。でも、私のジム退会は自分で言うべきことですよね…。頑張ります。
坂口愛美