村上信五くんと経済クン「シニア子育ての苦労と喜びをお勉強」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【中本裕己（なかもと・ひろみ）さん】
1963年東京生まれ。関西大学社会学部卒業後、産経新聞に入社。夕刊フジ一筋で関西総局、芸能デスク、編集局次長などを経て夕刊フジ編集長に。様々な分野の取材・編集を担当。プライベートでは48歳で再婚し、56歳でパパに。現在、お子さんは２歳。新人パパ３年目として奮闘中。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【中本さんの著書「56歳で初めて父に、45歳で初めて母になりました～生死をさまよった出産とシニア子育て奮闘記～」】
子どもが生まれるまでの経緯をFacebookに綴っていた。それを編集者の方が「これ本になりますよ」と声をかけてくれて本を書くことに。子どもが大きくなった時に「お母さんこんなに大変だったんだよ」というのを伝えたい。30年以上新聞記者をやってきたが、記事を書くのと本を書くのとでは全然違って大変だった。出版してからは、女性誌の編集者の方からの反響がすごくてたくさん取材してもらった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【今お子さんは２歳。子育てにはどのように参加してる？】
編集長だが、朝の会議にはリモートで参加。合間に掃除や洗濯をして、保育園に送り届け、昼に出社する。午後から出社しなければできない仕事をする。帰ってからは子どもをお風呂に入れる。そのため飲み会の二次会に参加することはほぼなくなった。子どものお蔭で元気でいられる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【59歳のパパ！不安なことは？】
体力的にしんどい。赤ちゃんの時から抱っこのしすぎで腱鞘炎になった。今は公園に連れていって遊びに付き合うのが一苦労。「階段で行く！」と言われると着いていかないといけないので大変。経済的な不安もある。子育てのため、文京区から足立区に引っ越した。子育てにすごく力を入れていて、区が用意した塾があったり、進学の手助けをしてくれる。他にも経済的な道筋を立て直すため、医療保険を見直したりして、できるだけ子どもにお金を回せるようにしている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【お子さんが誕生して変わったことは？】
明日がどうなるか分からない世の中で、変化を楽しめるようになった。やっぱり子どもができるととても楽しい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【壮絶だった出産】
もともと再婚された時、中本さんは48歳、奥さん36歳。奥さんは子宮筋腫の持病をもたれていたので「子どもは自然に任せて恵まれたらいいな…」と考えていて、結婚９年目にその夢が叶った。しかし、奥さんがおたふく風邪になりそのウイルスが心臓にとんで心筋炎になってしまった。緊急入院をし、帝王切開することに。それが７月７日の七夕だった。麻酔を打つ時、奥さんが「今日生まれたら七夕生まれだね」と言った。後から聞くと「あの時に後ろ向きなことを言うと、自分も落ち込んでしまいそうだった。もし自分の身に何かあっても、子どもにとっては誕生日なので悲しい日にしたくなかった」とのこと。「母になった瞬間だな」と思ったとのこと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【今日本は晩婚化、少子高齢化問題などたくさんの問題を抱えている。今の現状をどう見るか？】
少子化対策で援助金やばらまきなどと言われているが、それだけでは少子化は解決しない。いつか子ども欲しいな、という人たちに「子育ては楽しい」「年を取ってからできても楽しい」ということを伝えていきたい。また、女性は生涯に産める卵子の数が決まっているといわれている。いつか子どもが欲しいのであれば、女性を尊重して結婚の時期を決めることも大切。子どもが生まれるというのは誰にとっても奇跡である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
命の尊さを改めて感じる、とても素敵で貴重な講義でした。中本さんが「子育ては大変だけど、それを上回る楽しさがある」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。保育園問題や育児休暇制度など、社会の制度が今のままで良いのか、改めてそのあたりも考え直すきっかけにもなりました。研究所のコーナーでは、「人生は感動を探す旅や」という村上さんの名言も出ましたね。日々の生活の中で、私も感動を探していこうと思います！
坂口愛美