「積極的にストライキ」して支持される!? ドイツで年収アップが進む理由
3月15日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにフリージャーナリストの熊谷徹さんが登場した。熊谷さんは1990年から、ドイツで生活しており、1月に発売した著書『ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか』も現在話題だ。
大竹まこと「ドイツの日本、似たような国。生真面目さとか、似ていると。でも著書の帯には『ドイツは年収が168.2%アップしているのに、日本は96.9%』で、下がっていると」
壇蜜「どうしてこんなに差がついたんですか?」
熊谷徹「ドイツの労働組合って影響力が非常に強いんです。今年も軒並み10%以上の賃上げを要求して、ドイチェポストというドイツの郵便局、郵便会社ですね。ここが15%の賃上げを要求して11%アップで妥結しました。
壇蜜「日本だとそうは……」
大竹「大手は今年、けっこう上げると言っているけど、中小企業にどこまで波及するかは不透明ですね」
熊谷「ドイツの組合は積極的にストライキをやるんですよ。今年も空港の職員、郵便局の職員、どんどんしていて。利用者としては迷惑をこうむるわけですけど……毎年のようにストライキが行われています。日本とはずいぶん違う。経営側には非常に強い圧力になっているんです」
大竹「もちろん働く者の権利でデモもストライキも、フランスでも行われるようですけど。日本はその辺、労働組合が弱くなって、なくなるなどしている」
熊谷「日本は『お客様第一』の国ですから、『お客様に迷惑をかけてはいけない』と。ドイツにはそれがないんです。ストライキをする権利がある、給料を上げるためにはストライキをしていいんだと。市民の間の理解もかなりありますね」
壇蜜「消費者としても『いい労働環境になってほしい』という気持ちがあるから、ストも認める」
熊谷「はい。市民の間の理解というのはかなりありますね」
大竹「給料が上がれば、その稼いだ分は消費に回るわけですからね。国の消費も回りますね」
壇蜜「根本的に違う気がしてきました」
大竹「ドイツの労働時間、働く人たち……日本と比べてどうなっているんですか?」
熊谷「経済協力開発機構、OECD加盟国の中で、ドイツの1年間の労働時間というのはいちばん短いんです。日本はドイツに比べて、およそ18%長いんですよ。なぜかといいますと、会社で働いている人は1日の労働時間が10時間を超えてはいけない、という法律があるんですね」
大竹「うん」
熊谷「しかも抜き打ち検査で監督官庁が労働時間をチェックする。経営者としてはどんなに忙しくても社員の労働時間が10時間を超えないようにしないといけないと。仕事が多い場合にはそれだけ人を雇用しないといけないんですね。これは例外がない」
壇蜜「超えちゃうとどうなるんですか?」
熊谷「法律違反ですから、厳しい、かなり高い罰金を科されることもあります」
このあともドイツの労働環境について詳しく熊谷さんが語った。詳しくはradikoのタイムフリー機能にて。
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