東日本大震災から12年…九段会館で同僚を亡くし、自身も15ヶ所骨折をした男性は…

東日本大震災から12年…九段会館で同僚を亡くし、自身も15ヶ所骨折をした男性は…

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文化放送をキーステーションに全国32局の制作協力で月曜日から金曜日の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」

東日本大震災からまもなく12年。
「ニュースパレード」では3月8日から3回にわたり「被災地の今」をお届けしています。
3月10日(金)は「首都東京」をとり上げます。
お堀沿いにある九段会館では、ホールの天井が崩落し、2人が死亡、31人がけがをしました
同僚が亡くなり、ご自身も15ヶ所の骨折という大けがを負った二村祐輔さんのインタビューをお送りします

「日本葬祭アカデミー教務研究室」代表の二村さんは、当時講師をしていた専門学校の卒業式に出席していたそうです。
その時の状況を伺ったところ…
揺れがどんどんひどくなり、立ち上がろうとした時、5トン以上の重さがある釣り天井が崩落し、押し付けられるように倒され埋まってしまった。
顔面から流血があり、前歯もグラグラになったので、自分で歯を取ってポケットに入れた。肋骨と肩甲骨・鎖骨など15か所を骨折と後になってわかったが、真っ暗な中、息苦しさはあったものの痛みはあまり感じなかった。
卒業式で、若い学生がたくさんいてくれたので、みんなで瓦礫というか天井そのものをどかそうとしてくれて…
「いち、にの、さん!」「せ~の!」という掛け声が聞こえてきた
」と…。
こちらは二村さんの闘病中の写真です。

二村さんが入院していたのは、20日間ほど。
葬祭のプロとしての仕事が超多忙となり、無理に早く退院したものの、リハビリや肩に埋めこんだボルトの固定や撤去、前歯の修復などに5~6年かかったそうで、いまだに肩は痛いそうです。
何よりショックだったのは、すぐ隣にいた同僚の先生がほぼ即死されたこと
つい数分前まで話をしていた人が亡くなるということは、もちろん初めての体験で、人の命はこれほどまでにあっけなく奪われていくものだと実感されたそうです

こちらは現在の九段会館テラス…地上17階、地下3階建ての複合ビルを新築し、去年リニューアルオープンしました。


二村さんは、週に1回この前を通るそうです。
あそこで二人の方が亡くなられた、という目で私は見る。回りの人もある程度知っている。
仮にああいうリニューアルをするなら、ちょっと慰霊碑のようなモニュメントが欲しかった。
唯一、東日本大震災で都内で2名の死者が出たのは九段会館。
教訓として、そういうもののモニュメントを少し考えてもよかった

また、個人的な意見として
国や行政は不幸なことはなかったことにしたい、ということをどんどん押し付けてくる。これが行政を頼りきれないところ。
忘れるということに関しては日本人の美徳かもしれないが、少し冷静にその部分を考えてみないといけないのではないか
」とも話されていました。

ニュースパレード、ぜひお聞きください。

気象予報士 防災士 伊藤佳子

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