戸張捷さんが明かす松山英樹のマスターズ優勝の勝因~「戸張捷のモーニングゴルフ」4月17日土曜日

戸張捷さんが明かす松山英樹のマスターズ優勝の勝因~「戸張捷のモーニングゴルフ」4月17日土曜日

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ゴルフのマスターズトーナメントで優勝し、日本人として初めてメジャー制覇した松山英樹選手。毎週土曜日朝6時05分から放送中「戸張捷のモーニングゴルフ」で、戸張捷さんが改めて松山英樹選手がマスターズ優勝した要因を語りました。

戸張さんも、この日(日本時間12日)は夜中の2時半に起きて、夢うつつのなか、松山のプレーを1番ホールのティーオフから最後まで見守ったそうです。

「『悲願』という言葉は、『悲しい願い』と書くので、個人的にはあまり好きな言葉ではないのですが、いつ日本選手がこの大会に勝つのだろうと、50年間この仕事をしながら待ち焦がれていました。日本選手のレベルを上げ、世界に通用するゴルファーを育てたいと思って、50年前に『フジサンケイクラシック』をつくったり、いろいろなことをやってきましたが、やっとその日が来たんですね」と冒頭、感慨を新たにしていました。


■勝因 その1

 戸張さんは、松山英樹の勝因をつぎのように語っています。

ひとつは、この2月から帯同してもらっているスウィング・コーチの目澤秀憲氏の存在です。

「(松山は)この1~2年、自分ひとりでやってきたスウィングづくりにちょっと迷いが出てきたそうです。そこで出会った目澤コーチですが、関係者から聞いたところ、彼のコーチングは『こう打ちなさい』と指導するスタイルではなく、『いまの球筋になったのは、ここに問題があるから』という具合に、松山本人で気が付かなかったポイントを指摘したうえで、『だったら、このポイントを変えてみよう』と、そこからは二人で相談しながらスウィングづくりに取り組んでいるようです。目澤コーチという、新しい視点から考えるべきポイントを指摘してもらったこと。それが今回勝てた理由のひとつでした」

 

■勝因 その2

 帰国直後の水曜日(14日)にリモートで行われた記者会見でもたくさん見られた、柔和な笑顔です。

「会見では、同じような質問にもきちん笑顔で答える姿がとても印象的でしたが、今回のマスターズでもニコニコとした笑顔が随分見られましたね。実は、マスターズの前週の『バレロ・テキサスオープン』というトーナメントでは、結果が出ず、イライラして早藤将太キャディやチームに当たったそうです。ところが、ふと『こんなことしていて、いいのだろうか』と疑問を持ち、『自分(のミス)に優しく』と思い至ったそうです。これが転機だったのでしょうか。そして、オーガスタナショナルに入ってからは、いつもは3日間の練習日で3ラウンドするところを、3日間で18ホールしか回らなかったのですが、その3日目の水曜日になぜかは分からないけど、『ひょっとしたら行けるかもしれない』と感じ、周囲にも口にしてたんですね」

 

■勝因 その3

第3、第4ラウンドのプレーイングパートナー=ザンダー・シャウフェレ

「これは、私の勝手な分析です。ザンダーはアメリカ人ですが、母親は大阪生まれの台湾の方で、日本語を話せます。そのため、ザンダーも片言の日本語を話します。松山にとっては、リラックスできるペアリングだったのだろうと思います。これは反対に、例えばジャスティン・トーマスのようなアングロサクソン系の白人であれば、周りのパトロン(ギャラリー)の応援はそっちに偏りますから、松山はよりプレッシャーを感じたでしょうね」

 

■捷さんが賞賛

 戸張さんのもとにはアメリカの友人・知人から、早藤将太キャディが18番ホールをホールアウトする際に、ピンフラッグをホールに戻したあと、コースに向かって深くお辞儀をしたことについて、「コースにリスペクトする、素晴らしい姿」というメールが数多く寄せられたそうです。

これには戸張さんも同意するのですが、さらに「いいなぁ」と思ったのが、松山の優勝が決まった瞬間のテレビ中継だったそうです。

 

「その瞬間、実況のアナウンサーと解説の中嶋常幸とゲストの宮里優作は嗚咽を漏らしただけ。55秒間の沈黙がありました。あの沈黙は、素晴らしい放送でしたね。視聴者のファンの皆さんも、それぞれにいろんな思い、深い感慨が湧いた瞬間ですから余計な言葉は要らなかったと思います」

あの瞬間、全国ではどれだけ多くの人が、嗚咽ではなく、号泣したことでしょう。素敵な沈黙でした。

そして、最後に今回の松山英樹のマスターズ制覇は、戸張さんご自身も12歳のときに現場で観戦し、その後日本にゴルフブームをもたらした1957年のカナダカップ(現・ワールドカップゴルフ)――「2020東京オリンピック」のゴルフ競技の会場でもある霞ヶ関CCで開催された国別対抗戦で、日本が個人・団体とも制した大会――以来のエポックであり、この機運を今後の日本のゴルフ界の発展に生かしていきたいと語っていました。

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世界中の数多くのトーナメントの解説もこなす、ゴルフプロデューサーの戸張捷が毎週、ゴルフにまつわる様々な話題を紹介していきます。

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