オリンピック直前の「地獄の合宿」とは?ソフト金・峰幸代「もう思い出すだけで…」
女子ソフトボール日本代表チームのキャッチャーとして、北京・東京の2つのオリンピックで金メダルを獲得した峰幸代さんが1月23日のくにまる食堂にご来店。東京オリンピックに挑んだ思いを伺った。
邦丸「ソフトボール選手としての峰幸代さんの現役時代のハイライトと言えば、やっぱり、もう伝説になっている北京オリンピックでの「上野の413球」。上野由岐子投手が1人で2日間3試合を投げ抜いた際に投じた413級を全て受けたのが今日のお客様、峰幸代さんということで、前回はその時のお話でもう終わっちゃいました。413球投げる上野さんもそうだけど、受ける峰さんも大変だったんでしょう。」
峰「そうですね。あらゆる状況だったり、ものすごい強いライバルがいたり、体もそうなんですけど頭と心とフル回転で戦った北京オリンピックでしたね。」
邦丸「金メダルを獲得した時は日本中が大騒ぎになりましたけど、峰さんからすると嬉しいのはもちろん、ホッとしたそうですね。」
峰「上野さんが頑張ってる姿を無駄にしたくない思いと、日本中の皆さんの期待に応えたい思いがあって。私が足を引っ張ることなど決してあってはならないと言う気持ちがあったので、やっぱり終わった時はホッとしました。」
邦丸「そして一旦現役を退かれます。そのときは20代半ばという若さだったわけですが、どうして引退を決めたんですか?」
峰「半ばと言っても18歳から9年間プレイをしていて、北京オリンピックで夢が叶って、その後の世界大会も勝って、「これ以上のキャリアって何があるのかな?」っていう疑問に突き当たってしまったんですね。ちょっと世代交代も考えたり、私は今何をしたいのかわからなくなったタイミングだったので、1回ソフトボールから離れないといけないと決断しました。」
邦丸「トップアスリートの方が最高の結果を出した後、我々メディアの人間は「この先の目標は何ですか?」と、その先のことを聞きたがるじゃないですか。すると多くの方が燃え尽き症候群じゃないんだけど、「ちょっと1回立ち止まらせて」と思っていたことが、後で聞いてみると結構多いらしいですよね。」
峰「そういう戦いのあともう1段上がれる選手って、なかなか多くないんですよね。でも、その先に見える景色ってまた違ったものがあるので、そこで乗り越えられるかが、また新たな強さになるんじゃないかなと思います。」
邦丸「そして峰幸代さんは2016年現役に復帰して、おととしの東京オリンピックに出場するんですが、オリンピックに出るってことは、北京で頂点を極めたんだから道のりの大変さを分かっていながら目指すわけでしょ。どうだったんです?」
峰「よしやるぞと決断したものの、体力とか技術の面など、思ったよりも自分のパフォーマンスが上がってこなかったっていうのが正直ありました。でも目指すものが決まっていたからこそ、「これじゃだめだ。もっと頑張るぞ!」という気持ちもあって、新しい自分に出会うことができたのかなと思っています。」
邦丸「2021のオリンピック直前にグアムで合宿あったそうなんですけど、これが地獄だったそうですね。」
峰「ふふふふ…。」
邦丸「思い出すのもいやだ?」 (笑)
峰「ものすごく走るはトレーニングするはで、もう寝ても起きても体のどこかが痛い。寝ても寝返りすると体中が痛くて起きるんですよ。「いだだ」って。で、また寝て寝返りすると「いだだ」って。もう体中のどこかが悲鳴をあげてる状態が2週間ぐらい続いて。それに肉離れもしちゃって、心も体も研ぎ澄まされるというか、究極の場所で究極の状態でパフォーマンスを出すっていう事では、すごい力になった合宿になりました。もう思い出すだけで、ドキドキしてきました。」(笑)
「くにまる食堂」は平日朝11~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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