村上信五くんと経済クン「夏のスキー場の売り上げが冬の２倍！？“スキー場の革命児”登場！」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【スキー場の革命児・和田寛（わだ・ゆたか）さん】
1976年生まれ。東京大学法学部卒業後、農林水産省、ベイン・アンド・カンパニーを経て、2014年に白馬で働き始める。
2016年～2017年の記録的に少ない雪でスキー場の来場者が激減したことを受け、白馬岩岳マウンテンリゾートの経営者として、冬季のスキー客だけに頼らない「オールシーズン・マウンテンリゾート」を目指した改革に取り組む。革新的なアイデアを次々投入した結果、2019年にはグリーンシーズンの来場者数がウィンターシーズンを超え、収益も改善。夏の来場者数が冬の２倍にもなり、その活躍が大きな話題となった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【今、白馬のスキー場は？】
今シーズン、ラニーニャ現象の影響で雪は順調に降っている。外国人観光客もだいぶ増えてきた実感がある。ようやく数年ぶりに苦しいシーズンから脱却できそう。ただ、1990年代と比べると国内のスキー人口は３分の１か４分の１ぐらいにまで増えている。レジャーの多様化などによって、なかなかスキーやスノボをしよう！とならない。そんな中で、冬のスキー場だけどスキーやスノボをしなくても楽しいというのを広めようとしていて、去年の時点でお客さんの１割、今だとお客さんの３分の１が板を持っていない。雪に触れたり、かまくらを楽しんだり、山頂に作った氷の滑り台などを目当てにお客さんが来てくれている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【和田さんはどのように白馬に関わるようになったのか？】
東京生まれ東京育ちで、白馬とは縁がなかったが、小さい頃からスキーと山が好きだった。山を元気にする仕事がしたいと、農林水産省に就職した。入ったは良いが、自分がやっていることで誰かが喜んでくれているという実感がなかった。“田舎のビジネスを元気にしたい”という強い想いから、農林水産省を辞めて戦略コンサルタント会社に転職。その時に子どもが大きくなってスキー場によく行くように。白馬にも通い始め、山の美しさに感動し、こんなにポテンシャルの高い場所はないと感じた。たまたま中途採用の募集をHPで見つけて応募。2014年に白馬で働き始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【和田さんが夏の白馬に仕掛けたプロジェクト】
⓵北アルプスの絶景が一望できる山頂のテラスを作った。
→東京や大阪で人気のパン屋「THE CITY BAKERY」が併設されたもの。北アルプスに向かって飛び出すような造りになっていて、標高1289メートルからの眺めを体感できる。

⓶北アルプスに飛び込むような巨大ブランコを作った。
→目の前に柵がなく、下が崖になっていて、お客さんにハーネスをつけてもらって漕いでもらう。通常のブランコの２倍くらいの大きさがある。アルプスの少女ハイジの気分を味わえる。１回500円。2020年7月にオープンして以降、反響が大きすぎて、全国各地で似たようなブランコが作られるようになった。

⓷日本で希少な初心者向けマウンテンバイクコース設置
→来場者が10倍に

⓸日本初の山頂での音楽フェス開催
→スキマスイッチが出演。1000人規模のフェスで、去年はチケットSOLD OUTだった。今年の５月に開催予定。

⓸複数の古民宿を１つの高級旅館に改装
→稼働率も客単価も２倍に

⓹Snow Peakが監修した快適アウトドア空間「岩岳グリーンパーク」誕生
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【和田さんがプロデュースする上で気を付けていること】
ここならでは、白馬ならでは、ということだったり、国内で初めて、国内で一番、という言葉がつくものをしっかり取りにいく。そうすることでお客さんにとって分かりやすい行き先になるし、SNSでも拡散しやすくなる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【白馬岩岳の今後の展望】
白馬エリア全体で、世界基準のオールシーズンマウンテンリゾートになっていきたい。海外を含めてお客さんに選んでもらえる場所にならなければならない。通年でお客さんに来てもらえるエリアになる。リゾートとしてゆっくり過ごしてもらえる場所に進化していきたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は私も10月に白馬岩岳マウンテンリゾートに行ったばかりでした！ブランコも実際に体験してとにかく素晴らしかったのですが、その背景に色々な苦労や想いがあったんだなぁということを和田さんから実際に伺うことができてとても良かったです。白馬の魅力を信じてどこまででも攻めていく！という和田さんの姿勢がとても素敵でした！私が行ったのは秋でしたが、また冬にも夏にも行ってみたいです！
坂口愛美