黒部ダム、東京ビッグサイトなど手掛ける安藤・間のDXの取り組みとは?
文化放送・松井佐祐里アナ「事業内容から教えてください」
株式会社安藤・間 経営戦略本部DX戦略部長・杉山律氏「土木事業では、シールド工事、山岳トンネル、ダムなど大手ゼネコンに引けを取らない実績、技術力を持っています。最近では高速道路の老朽化に伴う床版取替工事など、インフラのリニューアル分野にも積極的に取り組んでいます。建築事業では事務所ビルや病院、学校、集合住宅まであらゆる用途の建物を手掛けています。最近ではEコマースの拡大に伴い需要が堅調な物流施設の引き合いが多いです。最近では、エネルギー事業、不動産インフラ運営事業などにも力を入れています」
松井「DX、デジタル化という視点で取り組んでいることは何ですか?」
杉山「業務の見える化による改善・改革です。」
L is B代表・横井太輔氏「詳しく教えてください」
杉山「業務をデジタルデータによって、見える化し、業務プロセスの課題や問題点を抽出して、これを解決する手段を発見し改善あるいは変革していくサイクルを作り上げることを意識してDXを進めています。その過程の中では、当然、デジタルデータが重要と考えていますので、データをデジタル化するデジタイゼーションの段階、デジタル化されたデータを十分活用するデジタライゼーションの段階、さらにその中から新しい価値や変革を生み出すデジタルトランスフォーメーションの段階という、3つのステップを意識してもらうように社員に呼びかけています。業務によっても異なりますが、いまだに紙や手作業による業務レベルのものから、システム化や見える化が進んでいるものも様々ですが、今、自分の行っている業務は、どのレベルにあるのかを意識してもらって、次のステップを目指して進んでもらうように働きかけています。そのために、基盤となるデータ活用基盤の構築を目指しています。現場や各業務で発生するデータソースを収集・蓄積し、加工・分析、見える化して意思決定につなげていく、改善行動につなげていく基盤づくりを行っています。」
横井「データの蓄積で終わっている会社や見える化しても活用方法が見いだせない会社もあり、皆さん、悩んでらっしゃたりするんですよね。そんな中で、DXビジョン2030について詳しく教えて下さい」
杉山「これは、“新しい働き方”、“能力の拡張”“新しい価値”の3本の柱からなっています。DXを通じて“新しい働き方”“能力の拡張”を実現し、従業員がゆとりとライフワークバランスを保ちながら、やりがいをもって行うことが重要だと思っています。“新しい働き方”については、デジタルツイン、メタバース、遠隔臨場、現場詳細情報の見える化・共有化ツールなどのテクノロジーを活用することで、仕事の場所や時間が自由に選択できるようになり、社員一人ひとりの生活スタイルに合った働き方があたりまえになり、単身赴任や長期出張、残業もなくすことを目指しています。“能力の拡張”というところでは、リスキリングプログラムやキャリア開発プログラムを充実させることで、スキルを速く、多く身につけることができ、建設事業に求められるスキルはもとより、それ以外のスキルも身につけて使いこなすことを目指しています。特にデジタルに関する全社員のリスキリングが進み、建設事業の生産性を大幅に向上させていきます。最終的には、デジタライゼーションにより生み出した変革された業務システムを既存システムと置き換え、“新しい価値”を創造します。さらに、社外でも効果が期待されるシステムについては、新規事業、新製品として発展、成立させることで、“新しい価値”として社外へ提供していきます」
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L is B presents 現場DX研究所
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