「防災アワー」線状降水帯の予測はどれだけ当たったのか?
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
防災をもっと身近にもっとわかりやすく生活目線でお送りしている番組です。
季節は進んで、出水期(6月~10月)も終わりましたね。
今年6月「線状降水帯」の半日程度前からの「予測」がはじめて始まりました。
あらためて「線状降水帯」とは…(以下気象庁資料より)
ではどれだけ予測が当たったのでしょうか?
「線状降水帯が発生する可能性がある」と呼びかけて、実際に発生した「適中」は13回のうち3回、当初の想定通り4回に1回程度。
一方、発生の予測を出さずに線状降水帯が発生した「見逃し」は11回のうち8回、こちらも当初の想定通り3回に2回程度。
確かに数字だけみると確度の高いものではないですが、「線状降水帯が発生する可能性がある」と呼びかけた場合、大雨になる可能性は高いのです。
この言葉を聞いたら「かなりの大雨になるかも…!」と危機感を高めてもらうアナウンス効果は発揮できたと思います。
予測が外れた「見逃し」の中には、8月3日・4日、青森県・秋田県(東北地方)で線状降水帯が発生した事例があります。
半日前の段階では、東北地方の3時間雨量予測は70ミリ程度でしたが、実際には線状降水帯が発生し、3時間に180ミリという記録的な大雨となりました。
東北地方はそれまで「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されたことがなく、事例が少ない地域では予測が一層難しいということです。
気象庁では現在「線状降水帯の半日前からの予測」を「関東甲信地方」とか「東海地方」のように大まかな「予報区」単位で発表していますが、
2024年には「県単位」で、2029年には「市町村単位」で出せるように改善していき
来年の新たな取り組みとして、30分前を目標とした「直前予測」も始める方針です。
今月の「防災アワー」のゲストは、YouTubeチャンネル「レスキューハウス」の兼平豪(かねひら・つよし)さん。
消防レスキュー隊員だった兼平さん
きょう20日の放送では、地震発生直後のレスキュー三原則について
「打たない」「切らない」「挟まれない」
また寝室を安全地帯にするようアドバイスしてくれました。
聞き逃したという方はradikoでぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 気象庁担当記者 伊藤佳子