村上信五くんと経済クン「小西克哉さんに聞く!中間選挙から見るアメリカの今」

村上信五くんと経済クン「小西克哉さんに聞く!中間選挙から見るアメリカの今」

Share

毎週土曜朝9時~放送している「村上信五くんと経済クン」。11月5日の講義は、アメリカをお勉強!
11月8日に行われた今回のアメリカ中間選挙。バイデン政権となって2年、その政権の成果が問われる選挙といわれています。アフガニスタン撤退、ロシアのウクライナ侵攻、アメリカ経済のインフレ!台湾海峡をめぐる米中の思惑など…。
世界のリーダーといわれたアメリカは、今、どこへ向かおうとしているのか?
国際ジャーナリストの小西克哉さんをお招きして、中間選挙を入口に、アメリカの現状をお勉強しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リスナーのみなさんからの質問に対し、小西さんにお答え頂きました。
【⓵上院と下院は日本でいうとどういう存在?今回の中間選挙のポイントは?】
基本的には、上院にあたるのが日本の参議院、下院にあたるのが衆議院。ただ、力が強いのは上院。力関係で見ると、上院=日本の衆議院、下院=日本の参議院と考えたほうが分かりやすい。定員から見ても上院のほうがエリート。中間選挙の結果は、放送時点での予想として、下院は共和党がとり、上院は接戦となりそう。普段の中間選挙はあまり盛り上がらず、投票率も50%前後だが、今回はいつもより注目度は上がりそう。一番の注目点は上院をどちらが取るか。両方とも共和党が取った場合、大統領府は民衆党のため、行政と議会でねじれとなってしまう。そうすると法案などがなかなか通らなくなってしまう。

【⓶もしトランプ氏が大統領のままだったら、プーチン大統領はウクライナ侵攻をしなかった?】
専門家も意見は分かれている。小西さんは、トランプ氏が大統領だったら、侵攻はあったとしてもあのタイミングではなかったのではないかと考えている。バイデン大統領が「軍を動かさない」と言ったことの影響は大きかったのではないか。

【⓷中間選挙は、民主党と共和党以外に小さな政党も立候補して議席をとることはある?】
アメリカにも小さな政党はあるが、実質的な権力はほとんど得られない。二大政党が有利なように議席が配分されるよう出来上がってしまっている。特に大統領選挙は予備選挙の時点で淘汰されてしまう。

【⓸アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問をめぐり米中は緊迫状態にあったが、アメリカ国民はどれくらい台湾有事に興味があるか?】
台湾情勢を頭に置いて投票する人はまずいない。選挙の争点にも国際関係は全くなっていない。特に中間選挙は国内の問題を争うもの。インフレや雇用が争点となっている。外交、特にアジアの話はディベートでも全く出てこない。

【⓹中間選挙の日本への影響は?】
上下両院を共和党が取るのか、かろうじて上院を民主党が死守するのかによって、バイデン政権がレームダック化するかどうかが変わってくる。両方、野党・共和党が取ってしまうとバイデン大統領の存在感が薄くなるので国際関係の影響が出ると思う。日米関係というより、ウクライナへの支援の仕方が変わってくるのでは。場合によって戦争が長期化し、世界経済への影響も出てくると考えられる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この放送後記を書いている11月10日(木)14時時点では、まだ中間選挙の結果は出ていません。小西さんがおっしゃっていた通り、下院は共和党リード、上院は接戦となっています。この後どうなるのか…結果によってはウクライナ情勢にも影響が出るということですし、結果を受けてのトランプ前大統領の動きも気になります。しっかりとニュースを見て追っていきたいと思います!
坂口愛美

Share

関連記事

この記事の番組情報


村上信五くんと経済クン

村上信五くんと経済クン

土 9:00~10:00

「経済初心者」の村上信五が、ゲストの方に教えを請いながら 「お金」に強くなってゆく番組です。 「お金持ち」しか持っていない情報を イチ早く皆さんに提供できるよ…

NOW ON AIR
ページTOPへ