抗生物質と薬剤耐性菌、イタチごっこが終わらない
10月26日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーのテーマは「抗生物質」。この抗生物質には、まだあまり知られていない厄介な敵がいるようだ。
西川あやの「『薬剤耐性菌』という言葉、ご存じでしょうか?」
永井玲衣「まったく聞いたことないです……」
大島育宙「なんとなくは」
抗生物質が効かない、耐性を持った菌のことです。アメリカ疾病対策センターによりますと、2020年、この薬剤耐性菌による死亡者が前の年に比べて15%も増加したそうなんです。この増加の仕方、怖いですね」
大島「薬剤耐性菌が原因っていうのも怖い」
西川「同じくアメリカ疾病対策センターによると、30年後、この薬剤耐性菌による死者数が癌による死者数を上回る可能性があると」
永井「よっぽどですね。しかも抗生物質って黄門さまの印籠みたいな、『これさえあれば大丈夫』っていう強い薬のイメージですけど、それが効かない」
西川「早く治したいときに『抗生物質、出しておきますね』と言われると安心するというか、回復へと向かっていく気がしません?」
大島「そういうイメージはありますね」
西川「ではなぜ薬剤耐性菌が生まれるのか。日本とオーストラリアで医師の資格を持つオーストラリア人医師、レニック・ニコラス先生にお話を伺いました。この抗生物質と薬剤耐性菌にはイタチごっこの歴史があるそうなんです。昔から『薬が生まれれば耐性菌が生まれ』の繰り返しなんだそうで」
永井「ほう」
西川「最近は抗生物質から生き残るために進化し続けている。特にペニシリンのように大量に使われた抗生物質にはすぐに耐性菌が出現すると」
大島「ああ~……そうなんだ」
西川「近年、新型コロナウイルスが出始めたとき、まだ実態がわからないことから、多くの医者が抗生物質を処方した。それによって耐性を持った菌が多く生まれたのではないか、とおっしゃっています」
永井「本当にイタチごっこですね。抗生物質が出て、それに耐性ある菌が出て、また抗生物質が……」
西川「抗生物質と薬剤耐性菌の歴史、お伝えしますと、レニック先生も挙げていたペニシリン。人類が最初に発見した抗生物質としても有名ですが、1928年にイギリス、スコットランドのアレクサンダー・フレミングがアオカビから作れることを発見しました。いろんな作品でも有名ですね。当時、治療薬ができなかった肺炎、破傷風を治したことで奇跡の薬として知られました」
大島「人類史上でも本当に大きかったんだと思いますね」
西川「ただペニシリンが見つかった翌年には、もう耐性を持った菌が確認されたんですね」
大島「そうなの!?」
永井「イタチごっこのスピードが速すぎますね……」
このあとも抗生物質と薬剤耐性菌との歴史をもとに3人で語り合った。詳しくはradikoのタイムフリー機能にて。
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