北朝鮮の弾道ミサイルにどう対抗するか 森永康平氏「シェルターなど安全施設面の議論も必要」
10月4日午前7時29分ごろ、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて「国民保護に関する情報」が発令された。10月5日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーと意見を交わした。
「撃ち返すのも大事だが、国民は逃げないといけない」
発射を受けて、政府はNSC(国家安全保障会議)の四大臣会合を開き、松野官房長官は「国連安全保障理事会におけるさらなる対応を含めて、北朝鮮に対して断固たる対応を取っていく」と述べた。森永氏は、北朝鮮の実験は今後もエスカレートすると予想した。
「昨年1月に開かれた朝鮮労働党大会で決定した兵器開発五カ年計画を、着々と進めているという印象です。今年の前半に短距離ミサイルをかなりの頻度で撃っていましたが、おそらくこれが今後、ICBM(大陸間弾道ミサイル)やSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)など飛距離が長いものに変わっていく、同時に核実験も行うんだろうなと思います」(森永氏)
日本はミサイルが日本列島に着弾する恐れがある場合、海上自衛隊のイージス艦の迎撃ミサイルが大気圏外で撃ち落とし、命中しない場合には地対空ミサイルPAC3で迎撃する二段構えをとっている。政府は年末に予定する国家安全保障戦略など3つの文書の改訂に合わせ、敵のミサイル発射基地などを攻撃する反撃能力の保有を打ち出す見通しだ。
寺島アナが「対抗するためには反撃能力を持っていないといけないんですね」と話を振ると、森永氏は攻撃された際の被害を小さくする議論も必要と指摘した。
「ミサイルが撃たれたときに撃ち返すのも大事ですが、国民は逃げないといけない。例えば、Jアラートがもう少し早く出るようになって、あと1分後に着弾するので避難してくださいとなったときに、“今(1分前)言われてもどこにいけば良いんだ?”となります。緊急避難先として学校や公園が指定されていますが、そこは開けた場所というだけ。地震のときはいいですが、ミサイルが撃たれたときには無意味じゃないですか。反撃能力と同時に、シェルターなど国民の安全施設面のあたりも議論しないといけない」(森永氏)
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