Mリーグはなぜ麻雀のイメージを変えることができたのか。プロ雀士・中田花奈が解説!
9月29日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーで「麻雀のイメージをクリエイティブ!」と題し、昔からはイメージの変わりつつある麻雀について掘り下げた。開幕を来週迎える「Mリーグ」の魅力にも触れた。
昔からのイメージで麻雀を「ギャンブルっぽい」「雀荘はタバコがモクモクしていそう」と避けている人も多い。しかし現在プロ雀士でもある中田花奈は、むしろ近年のクリーンな方向の麻雀しか知らず、「タバコがモクモクな雀荘も行ったことがない」という。麻雀に限らず、イメージ改革に成功した業界はほかにも多い。
入山章栄「エンタメ、スポーツ方面で、古いイメージを変えることで新しいお客さんを取り込んだものって意外とあるんですよ。僕がよく出す例は新日本プロレス。もともとアントニオ猪木さんが運営していて、『ストロングスタイル』『プロレスが最強の格闘技なんだ』と言って、コアなファンを集めていたんですね。あるとき新日本プロレスがブシロードっていう、カードゲームの会社に買収されたんです」
中田花奈「はい」
入山「一気に方向を変えて、プロレスラーはある意味、カードゲームのカードみたいなものだと。もっとキャラを立てていろんな人にアピールしていこう、となったので、まずイケメンレスラーを出し始めたんですね。知っている人も多いと思いますけど棚橋弘至選手とかオカダ・カズチカ選手とか。一気に女性ファンが増えました」
西川あやの「『プ女子』って言葉もありますもんね」
入山「ほかだとね、シルク・ドゥ・ソレイユ。カナダで生まれて、サーカスの考え方を根本的に変えたんです。いちばんのポイントは引き算。みんな付け加えがちだけど、大事なものを取ってしまってもいい。シルク・ドゥ・ソレイユの場合、それが何かというとズバリ動物です。維持コストがすごくかかる……」
西川「ライオンの火の輪くぐり、みたいなのないですもんね」
入山「動物がいなくなると、コストが減ります。演技だけになるので、子供が見なくなる。大人向けのサーカスをやるようになって成功した。お客さんが大人だからお酒を出せる、お酒はすごく収入になる。古いイメージを変えるときは引き算が大事。麻雀もギャンブルのイメージを引き算したんですね」
麻雀は映像コンテンツによってイメージを変化させてきた。大きなきっかけといわれるのがテレビ番組「THEわれめDEポン」だ。
入山「まさに世代です。『われポン』で革命的だったのが『神視点』を入れたこと。いまとなっては当たり前だけど、解説者とアナウンサーがいるから、誰が何を持っているかわかる。いまのMリーグもそうじゃないですか」
西川「流れがわかりやすいし、誰かに感情移入しやすいですね。Mリーグは来週開幕。2018年に発足した麻雀のプロリーグです。団体戦で10月から翌年の3月末にかけて、それぞれのチームが優勝を争います。チェアマンを務めるのはサイバーエージェントの藤田晋社長。対局の様子はABEMAで中継され、生放送での視聴数は100万回に達していると」
入山「そんなに!? 生で100万人ってすごいね」
中田「実況、解説がいるんです。正直、私も覚えたてのころはどうすれば勝てるかとかわからなかったけど、解説の人が『こういう思考でこうしているんですよ』と説明してくれるから、『これマネしよう』と思える。勉強しよう。と思わなくても勝手に覚えていくんですね」
入山「実況と解説の影響、大きいんですね」
中田「いま名物実況になっている、私の所属団体の先輩でもある日吉辰哉さん。麻雀とは思えないほどの熱量で実況しているんですよ。高まってくる! ドラマを熱量で伝えてくれるのが、初心者でもわかりやすいなって」
西川「Mリーグはプロ雀士のイメージを変えることにもつながっていて、いろんな工夫もされているんですね?」
中田「選手それぞれチームがあって、かつて対局の衣装はスーツとかだったんですけど、いまはスポンサーロゴの入ったユニフォームを着て対局している。しかもスポンサーの量がすごく多くて。それだけ注目されているし、ユニフォームにしたことで応援したくなるというのもあるんじゃないかなと」
西川「スポンサーにしても、100万人に見られているわけですもんね」
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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