「40歳からは自由に生きる」池田清彦さんが新刊タイトルに込めた意味
9月21日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに山梨大学、早稲田大学の名誉教授で生物学者、池田清彦さんがリモートで出演した。池田さんは今月発売された新刊『40歳からは自由に生きる 生物学的に人生を考察する』も話題だ。
大竹まこと「『40歳からは自由に生きる』。これは『人の言うことなんか聴いていられるか!』というようにも読み取れますが」
池田清彦「自分で自分の生き方みたいなのを決めて、それをなるべく守っていきなさいということなので『でたらめに生きろ』ということではなくて。自分で規範をつくる、ということがとても大事なんですよ。人に与えられたんじゃなくて自分でつくった規範なら守れるじゃないですか」
壇蜜「マイルール!」
池田「そう。法律に違反するようなマイルールじゃ困るけど、そうじゃない限りどんなものをつくろうと自由だから」
壇蜜「なんで『40歳』なんですか?」
池田「最近わかったんですが、人類の自然寿命って38歳ぐらいまでなんです。チンパンジーもゴリラもネアンデルタール人も、だいたいそんな感じ。人間の寿命が伸びたのは食べ物(の影響)なんですね」
大竹「逆にいえば寿命が40歳ぐらいまでだから、先生の中ではそれ以降は無駄な人生……?」
池田「というかオマケの人生だね(笑)。もうけものだから、楽しんだらいいと」
大竹「世間のルールにとらわれずに自分のルールを持って生きろ、みたいな意味合いが強い」
池田「そうですね」
大竹「タバコをやめる、酒は飲まない、糖質を我慢する……そういう生活は楽しくない、ともおっしゃっています」
池田「そもそも長生きするとは限らないから」
壇蜜「確かに節制しすぎるとストレスが溜まるっていうのは聴きますね」
池田「フィンランド症候群といって。昔、40~45歳ぐらいの働き盛りの人を集めて、管理されていた人、好き勝手に生きた人と分けたの。そのあと15年間を調べたら、管理されていた人のほうがたくさん亡くなっていた」
壇蜜「すごい実験していますね、フィンランド……。日本にも当てはまるんですか?」
池田「当てはまると思いますよ。日本ではそういうことしないけど、向こう(海外)はするね。日本は健康診断している人、していない人の比較をしていないけど、アメリカではそういう比較を3度ぐらいやって、まったく差がないとなって。意味がないから健康診断は無駄だといわれ、もうやっていません。」
壇蜜「先生のご本に『がん検診は意味ない』と……」
池田「具合が悪くなってから行けばいいんですよ。そうでないならストレスになる」
大竹「でも『早期発見』とかいうじゃないですか」
池田「若い人はともかく歳をとってからだと……」
大竹「どういう意味ですか?」
池田「僕はがん検診に行かないけど、行っても、治るがんは治るし、治らないがんは治らない。そうすると結局、治らない場合は治療の時間が長くなって、ストレスが祟ってクオリティ・オブ・ライフが下がる。あまり早く見つからないほうがいい。75ぐらいになって、がんが見つかったからといって、5年、6年は生きているわけだから」
壇蜜「進行は遅いといいますね」
池田「年寄りは進行も遅い、抗がん剤で亡くなってしまう場合もある。どっちにしても寿命はくるわけだから。80歳を超えてから検診に行って治療してもしょうがないと思います。養老(孟司)さんなんかは解剖のお医者さんしていたからよく話を聴くけど、歳をとった人を解剖するとどこかにがんが出てくると。それで亡くなっていない、がんを抱えて長く生きている。そういうことがあるじゃないですか」
大竹「これはあくまで40歳以降の人の話として……」
池田「(それより)若い人は別だからね、どうなるかわからないうちにとってしまえばいい。血液のがんなんかは抗がん剤がよく効くから、治るものは治してしまえと」
このほかにも高齢者の免許返納に関して、安楽死、人の浮気についてなど、池田さんの考えが披露された。詳しくはradikoのタイムフリー機能にて。
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