西松建設が進める山岳トンネル工事の遠隔化・自動化とは?

西松建設が進める山岳トンネル工事の遠隔化・自動化とは?

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山岳トンネル工事では、掘削の最先端(切羽)で、岩石の落下などで労働災害がたびたび発生している。そのため、作業員が切羽に立ち入る機会の削減や切羽作業の無人化が課題となっている。こうした中、西松建設では山岳トンネル工事の遠隔化に力を入れている。
8月29日放送の「L is B presents 現場DX研究所」は、ゲストに西松建設株式会社本社DX戦略室DX企画部の小原澤義久さんをお迎えし、山岳トンネルの工事の現状について話を聞いた。

文化放送・松井佐祐里アナ「西松建設の事業内容を教えてください」

西松建設・小原澤義久氏「主に建設、不動産、開発、エネルギーや環境事業を行っております。建設事業では、土木、建築それぞれ国内、国外に展開しているいわゆる準大手ゼネコンと呼ばれる会社です」

松井「小原澤さんはどんな仕事をされているのですか?」

小原澤「現在は、本社DX戦略室に所属していて、デジタルの力を使って現場や業務全体の改革だったり、その仕組みづくりに取り組んでいます。具体的には、現場の施工、施工管理、内勤の管理業務等をデジタルで改善しながら、業務自体を変える取組みのプロジェクト立上げ、プロジェクトの推進、現業への定着・浸透まで一貫して行っています」

L is B代表・横井太輔氏「技術の進化について伺いたいのですが、山岳トンネル工事では遠隔計測を出来るようになったそうですね」

小原澤「弊社では、山岳トンネルの自動化・遠隔化に力を入れています。この遠隔計測の技術は、山岳トンネル遠隔施工システム、通称“トンネルリモス”の一部の技術となっています。トンネル工事では掘削の一番先端を切羽と言いますが、その切羽が一番の危険ゾーンになります。その危険ゾーンを西松建設は無人化することに取り組んでいます。遠隔計測できる技術はリモスメジャーと言いまして、計測ロボがカメラや3Dスキャンによって地山の評価や出来型等を計測して、遠隔管理で状況を把握することができるものです。今後はその切羽という危険ゾーンで人による計測作業が無くなると思います」

横井「トンネルを掘るというのはどんなイメージですか?」

小原澤「ドリルジャンボっていう重機があってそれが先端のところにドリルで穴を開けてそこにダイナマイトで爆発させて、崩して、それを掻いて外に出していく」

横井「掻いていくロボットなんですか?」

小原澤「ドリルで穴を開ける重機も遠隔化で遠いところから操縦できる技術を開発して取り組んだりしてます」

横井「他にもAIやロボットを使った技術はありますか?」

小原澤「山岳トンネルの自動化・遠隔化として切羽で作業する“ドリルジャンボ”という重機の遠隔操縦や、掘削サイクルをAIで判定するシステム等、トンネルでは技術が豊富にあります。一方建築ではAIやロボティクスの取組は今のところ多くありませんが、そんな状況を変える為に、ゼネコン25社が参画しているコンソーシアムRXに西松建設も参加し、他社と共同でロボティクスの開発に向けた取組みを開始しています」

松井「今後、遠隔作業や無人化の流れが進むことにより、どんな変化があると思いますか?」

小原澤「深く考えなくてもいい作業や業務は全てAIやロボティクスが行い、これからの私達は、より難しい局面での判断や、難しい工事の計画等、より付加価値の高い業務にシフトチェンジしていくと思っています」

「L is B presents 現場DX研究所」は毎週月曜20時~20時30分まで文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。日本最大級の音声プラットフォーム「Voicy」でもアーカイブ配信しています。

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