「死なないで…9月1日は大勢の子どもが自殺してしまう日なの」内田也哉子さんが触れた母・樹木希林さんの言葉…その真意とは
樹木希林さんとの「共著」としてポプラ社から「9月1日 母からのバトン」を著した内田也哉子さんが8月29日の大竹まことゴールデンラジオに出演。母・希林さんが残した言葉とその真意を語った。
内田也哉子「2018年の9月に母が他界したんですけど、その2週間前、私が病室に入ったら窓の外に向かって「死なないでね。死なないでね。」って言ってて、いよいよ気がおかしくなったと思っていたら、「今日、9月1日は日本の子ども達が一番多く自殺をしてしまう日なんだ」っていうことを突然言い始めたんです。日にちが分かってることにもびっくりしたんですけど、私はその瞬間に、自分は3人も子どもを産んで育ててるのに、人様の子どもたちのことはなにも関心を持ってこなかったと衝撃を受けました。母はずっとがんを患っていつでも死ぬ準備をしていたので、その意味では死に対するうろたえは本人も含めて誰もなかったんですけど、これから未来のある子どもたちは「もったいない」って。物でも人でも何でも、母はいつも「もったいない」ことが何よりも重要だったんです。その人が適材適所で、その人なりに輝いていることを見るのが最大の喜びだったので、だから命がもったいなくないように、「どうか死なないでね」って言っていたんですね。今は苦しいかもしれないけれども、死ぬっていう選択肢より、生きていたほうが絶対何かあるはず。その「何か」は誰も説明できないんですけど、死んでしまったらもうそこで終わり。一人の子ども死は、たくさんの大人、家族や友達や、そのコミュニティ全体に与えるインパクトも相当なもので、母はこれに打ちひしがれてたんですね。」
――そして希林さんの死後、也哉子さんのもとに以外な申し出が舞い込んでくる――
内田「亡くなってちょっとしたら、ポプラ社の方から連絡があって「母が生前少し活動に関わっていた、例えば不登校を経験した子ども達との対談や、シンポジウムや、講演がある」と伺い、ぜひ見せてくださいと申し出ました。それを見て、私が一人の人間として受け取ったバトンだと思ったんです。そこで私の方から、どうか、もう少し取材をできないでしょうかとご相談して、最終的に母との共著として出版することになったんです。まあ母は生前、本を出すことは良しとしてなくて資源の無駄だと「もったいない」と自分の本は絶対に出さなかったんです。」
大竹まこと「ええ?そうなの。」
内田「だけども、もうこれはいいだろうと。なんとか母をダシにしてでも、この事実を伝えるっていうことが、母が望んでいた一番「核」の部分だし、ここから私達が「何ができるんだろう」とディスカッションしていくことが重要だと思ったんです。」
大竹「最後に本に出ているこちらの詩を紹介してください。いい詩だなと思って。」
内田「これはロバートキャンベルさんが英語訳した詩集にも出ていた、井上陽水さんの「海へ来なさい」という歌の歌詞なんです。では紹介します。」
太陽に敗けない肌を持ちなさい
潮風にとけあう髪を持ちなさい
どこまでも 泳げる力と
いつまでも 唄える心と
魚に触れる様な指を持ちなさい
海へ来なさい 海へ来なさい
そして心から 幸福になりなさい
さらに放送では、樹木希林さんと内田裕也さんを親に持ち、連日マスコミが家に押しかけた内田也哉子さんの幼少期を振り返りました。気になる方はradikoのタイムフリー機能でご確認下さい。
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