鏡リュウジさんが解説! タロットの起源から、占いを聴くとき大切なことまで
8月25日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)では「タロット」を特集。もっと本格的に覚えたいという中田花奈、そもそも「タロットとは何か?」というところから知りたいという入山章栄に向け、日本の占い界を牽引する占星術研究家・鏡リュウジさんがリモートで話を聴かせてくれた。
鏡リュウジ「僕が子供のころに初めて出会ったタロットの入門書、1970年代のものだと思うんですけど、起源は古代エジプトだと書かれているんです。ただこれは話を盛りすぎで。実際にはトランプとルーツは同じです。いまのトランプの原型が14世紀、西ヨーロッパに入ってくるんですよ。スートといって、ハートやクラブなんかのもとになったような4種類の記号から成り立っているものがまずあったんです」
西川あやの「はい」
鏡「そこへ1440年ぐらいに、イタリアのミラノとかパドヴァとか、ルネサンスの貴族たちが絵札、切り札、いまの用語で『大アルカナ』とかいうんですけど、悪魔や太陽などの絵を加えて。そうして発明されたのがタロットなんですね。元来、ゲーム用で、占いには使われていませんでした」
中田花奈「ゲーム用!」
入山章栄「タロットカードの遊びがあるわけですね?」
鏡「そうです! そこに強い切り札を加えて複雑にしたんですね。切り札のことをトランプというんですよ。アメリカのトランプ前大統領の名前や、英語でいうとトライアンフ、『勝利』も同じ語源で。諸説ありますが、タロットという言葉もそこにつながっているだろうといわれています」
入山「そっか、なるほど!」
このあとも鏡さんは、タロットの歴史について丁寧に説明していく。占いを見聞きする際に大切なことも教えてくれた。
鏡「タロットはイマジネーションを喚起する、受け皿だと思うんですよ。たとえば剣と天秤だったら、国をまたいでも、公正さとか、物事を分ける、とか通じますね。そういう象徴的な絵柄なので、僕たちの心も反応しやすい。いろんな意味を引き出せて、自分がまだ気づいていないような願いとか、凝り固まっていたときに『こういう見方あるね!』とか。そういう気持ちの開きが生まれるんじゃないかなと」
入山「すばらしい解説ですね。占い、タロットって『当てます!』みたいなイメージだったんですけど、イマジネーションなんですね。絵があることで、たとえば悪魔を見たら『いま自分の心に暗い部分があったのかもしれない』とか、想像性を働かせることで自分を再発見したり、人に何かを言ったりするという」
イマジネーションが大事なのはタロット占いだけに限らないようだ。
入山「たとえばおみくじで凶を引いたとき、『いちばん底だから上がるしかない』『凶が最高』という人もいるじゃないですか。それもまさに想像性ということ?」
鏡「はい。それと吉とか凶はデジタルな言い方じゃないですか。おみくじを引くときにいちばん大事なのは、そこに書かれてある和歌とか漢詩。『これの意味、わかりにくいけど自分に当てはめたらどういうことか……』と開けるはずなんです」
入山「テレビの星座占いも、最下位だからと落ち込むんじゃなくて……」
鏡「『ラッキーカラー:赤』というのを見て、赤い服を着て安心するならそれでいいし、もう一歩進んで『赤ってなんで私にいい?』『赤い情熱を持て、ということ?』とか、そう考えるようになると、占いがもっと使えるかなと」
さらに鏡さんは中田からの「ガチな質問」にも丁寧に回答した。スタジオ中が感嘆の声を上げた解説の数々、詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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