「慰安婦問題」から社会の分断を考えよう
ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた8月12日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
本日は「“慰安婦問題”から社会の分断を考えよう」というテーマで「慰安婦問題」について取り上げた。
今週の放送は8月15日の終戦の日を前に、「戦争と平和について考える1週間」ということで、「きょうのクリエイティ部」は、「慰安婦問題」について取り上げ、そこから見える社会の分断について考えた。
戦時中、主に戦地で将兵の性の相手を強いられた「慰安婦」と呼ばれた女性達がいる。
日本でこの慰安婦問題が取り沙汰されたのは1991年、金学順さんという女性が韓国ソウルで「自分は慰安婦だ」と名乗り、日本の責任を告発したことから始まった。その後も女性達によるカミングアウトが相次ぎ、元慰安婦が東京地裁に日本政府の謝罪と補償を求め提訴した。
この告発を受け、日本政府は朝鮮半島出身の慰安婦問題の調査を始めた。
1993年8月、宮沢内閣の河野洋平官房長官が発表した「河野談話」で、慰安所について、当時の軍当局の要請により設営されたとし、慰安所の設置や管理、慰安婦の移送に旧日本軍が直接あるいは間接的に関与したと認め、お詫びと反省を述べた。
今日の日韓関係に関して
石戸「戦後77年過ぎようとしていても、政治の問題として自分たちに返ってくる。僕は“みんなが納得する形で終わることは難しいだろう”と思っていて。そこから先をどう考えるべきなのかは、もうこの世代の責任になってくるし、次世代にも引き継がれる可能性が高いと考えています。」
ブルボンヌ「自分たちが関わっていないことで、今もこじれ続けていると、直接関わってない世代の人からすると、“上の世代の問題が、何故今も国と国との関係として引きずられるんだろう?”ってモヤモヤは感じちゃう。“どれだけ文化が交流していても、そういう問題を考え続けないといけない”って言うのが頭にあるわけですもんね。」
「慰安婦問題」をめぐる議論では、慰安婦に対しての「強制性を示す証拠の有無」が焦点だったが、近年では「女性の権利」「人権」へと問題がシフトしているという。
石戸「今、世界では人権の問題とか、戦争のとき、どのように女性が使われてきたのか。そこから“こういった問題を繰り返さないようにしましょうね”っていう(女性の権利擁護の)視点から議論されているんですよ。」
ブルボンヌ「慰安婦の方が受けてきた苦痛がないことにされることへの怒りから、様々な活動をすることは正しいと思うし、それが汲み取られるといいんだけど、政治の外交上のカードになったとき、それは被害者の気持ちに寄り添っていることになるのか、国としてカードとして使えるからやっているのか。徐々に余分なものがくっついているように見えちゃうかな。」
西川「この問題以外でも、社会の分断って起こっているじゃないですか。その時に何か視点を変えたり、“他の人の立場に立ったりできるのかな”っていうのをこの番組でも考えていきたいと思うんですよね。」
ブルボンヌ「それぞれの痛みを知ることは大事だけど、これから現在に生かしていくときに“こうならないようにしようね!”って言うのか、“あのとき、あれが嫌だった!”ってことだけをずっと話すのかは向きが違う気がする。」
石戸「おっしゃる通りですね。“こういうことを繰り返しちゃいけないね!”っていう観点に立つと、色んなことを学べるわけですよ。」
このコーナーでは、「慰安婦問題」をもとに社会の分断を乗り越えるヒントについてさらに深掘りをして議論を深めています。詳細が気になる方はradikoのタイムフリー機能でぜひお聴きください。
「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。
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