ベストセラー多数の和田秀樹「物知りだから本を書くのではなく、本を書くから物知りになる」
8月3日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに精神科医の和田秀樹氏が登場した。和田氏は長年、高齢者医療に携わっており、著書も今年発売した『80歳の壁』を含めベストセラー多数。今回は誤解や偏見も多い「認知症」について詳しく説明してくれた。
和田秀樹「認知症は軽いものから思いものまであるのに、一緒くたに考えられることが多いんですよ。『なったら安楽死させてくれ』とか『なったなら免許を返せ』とか。たとえばレーガン元大統領は、辞めてから5年目に『アルツハイマーだった』と告白したんです。高齢者の精神科医の立場からすると、『5年前に物忘れは始まっていたはずだ』と考えるんです。大統領を認知症のころにやっていたんですね」
壇蜜「それでもできていたんですね?」
和田「そうです。軽いうちは知能も落ちませんから。それぐらいの人から、話が通じないレベルの人までいるはずなのに、テストをしてある程度の結果が出たら『認知症』と診断される。60代だと2.5%かもっと低いぐらいだけど、80代だとテストすると3割ぐらいが当てはまってしまう」
壇蜜「数字で見ると『3人に1人はなるんだ、怖いな』と思うけど」
同じ「認知症」でも人によってかなりの差は出る。ではどうすれば、重症化を防げるのだろうか。
和田「有名な『エビングハウスの忘却曲線』という、無意味な言葉を憶えさせて1時間後、3時間後、5時間後……とどれだけ暗記しているか、という曲線があって。それって若い人もお年寄りもあまり差がないんですね。ただ歳をとればとるほど見おぼえがあったり興味を持たなかったりするから記憶できない、というのはある」
壇蜜「新鮮味がないからいいや、と」
和田「私も62になってかなり記憶力は落ちたんです。でもワインの名前だったら憶えられる。『憶えよう』という気持ちがあるのは大事だと思います」
壇蜜「好きなことが多いと有利ですね」
和田「私なんかも27のときに受験勉強法の本でデビューして、800冊以上、本を出しているんです。『すごい』とみんなおっしゃいますけど、書いていくことで知識が増える、頭に残るものが増えるんですよ。物知りだから本を書くのではなくて、本を書くから物知りになる、っていうのはあると思います」
ものを簡単に調べられるいま、記憶力よりも大事なものがある、ともいう。
和田「大事なのは記憶よりも意欲なんですよ」
大竹まこと「記憶よりも意欲!」
和田「なぜかというと歩き続ければ足腰は保たれるし、頭も使い続ければ保たれる。それなのに意欲が落ちてくると、両方やらないわけですね。歳をとるとそうなる人が多いんですが、前頭葉が海馬(記憶を司るところ)より先に委縮し始めるからなんですよ。前頭葉は想定外のことやルーティンにないことに対して、特に働くんですね」
和田氏は前頭葉を刺激することの大切さ、生活のルーティン化を避ける方法なども詳しく説明してくれた。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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