JR東日本のローカル線は「すべて赤字」 谷本真由美氏「不採算路線を廃止したイギリスは車社会になっている」

JR東日本のローカル線は「すべて赤字」 谷本真由美氏「不採算路線を廃止したイギリスは車社会になっている」

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JR東日本は7月28日、在来線の3分の1に相当する「地方ローカル線」の区間別収支を初めて公表した。35路線・66区間が、2019年度の段階ですべて赤字だった。7月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、寺島尚正アナウンサーがイギリス在住の著述家、谷本真由美氏に意見を求める場面があった。

「会社から交通費が出ないので、在宅勤務にしたがる人も」

地方の鉄道利用者の減少は以前より全国的な課題となっていたが、さらにコロナ禍が打撃となって鉄道各社が赤字路線を支える余力を失っている。運輸収入を稼ぐためにかかる費用を示す「営業係数」を見ると、最も大きいのが千葉県にある久留里線の久留里駅と上総亀山駅間で、100円の稼ぎのために、線路や車両の維持などに1万5546円の費用をかけている。

費用の0.6%しか収入を得られていない計算となるが、この状況に谷本氏は、1980年代のサッチャー改革で不採算路線を廃止したイギリスの例を紹介した。

「交通の足がなくなってしまうので、物凄く反対があったのですが、国が潰れてしまうという瀬戸際にあったので、(政府は)反対を押し切り廃止しておりました。なので、イギリス(現状)はものすごく車社会ですね。郊外は車がないと生活ができないほどです。バスもあるのですが、本数が少なかったり、値段が高いですね」(谷本氏)

車社会では、ガソリン価格の高騰が市民生活に与える影響は大きくなる。寺島アナが「現在のイギリスは1リットル300円ですよね。これは大変な思いをしているんじゃないですか?」と振ると、谷本氏はイギリスの特殊事情について付け加えた。

「イギリス(の会社員)は通勤費が自腹なんです。会社から交通費が出ないので、ガソリンが高く通勤費がかさんでしまう現在は、“通勤をしたくない。在宅勤務にしてほしい”という方が多いです。イギリスはコロナ前から在宅勤務が進んでいたのですが、その理由は結局、通勤費の高さです。また、会社に人がいっぱい来ると光熱費がかかるじゃないですか。オフィスの賃料を払いたくないということで(オフィスを構える動きは)どんどん縮小し、最初からオフィスがない企業もあったりするんですよ。これはコロナで始まったことではなくて20年前からそうなんです」(谷本氏)

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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