高校の黒染め校則「適法」は多様性の真逆!?日独ハーフ作家に本当の多様性とはなにか聞く

高校の黒染め校則「適法」は多様性の真逆!?日独ハーフ作家に本当の多様性とはなにか聞く

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6月27日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)は日本とドイツにルーツがある、作家・エッセイストのサンドラ・へフェリンさんをお招きして、本当の多様性とはなにか伺いました。

へフェリン「多様性って最近は流行り言葉として気軽に使われてる気がしていて、「いろんな国の人や、いろんなルーツの人が、みんな仲良くすれば、それは多様な社会だ」みたいな印象を受けるんですけど、実はそうではなく、いろんな国の人やルーツの人が、例えば日本で通う学校や会社を居心地いいと思うのが本当の多様な社会だと思います。日本の中学校などでは、真っ直ぐな黒髪をスタンダードと考えて校則を作っているところが多くて、元々髪の毛が茶色だったり天然パーマだったりする人は黒く染めてくださいとか、地毛証明書を出してくださいとか決められています。もちろん日本人でも茶色い髪や天然パーマの子はいますし、外国にルーツがある子にも多いですよね。この間、大阪府立高校の生徒が「元々髪が茶色いのに学校によって黒く染めさせられた」という裁判を起こしたんですが、6月15日に最高裁は「学校の黒染め指導には違法性がない」と訴えを退けてしまったので、ちょっと多様性の逆をいっているような気がします。」

大竹「ちょっと驚いたんですが、ドイツの公立学校は小学生から大学院まで国籍にかかわらず学費は原則無料なんですって?すごいですね。」

へフェリン「そうですか? 私はそれが当たり前だと思って育ってきたので、むしろ日本の大学や私立高校は親がこんなに大変なんだって、そっちにびっくりしました。ドイツの学校は小中高大学も国立や公立が多く、ほとんどの人は国の学校に通っていて、成績が良ければ家にお金がなくても医学部に入れるし、医者になった人もいっぱいいます。日本の医学部のイメージは「金持ちだな」って思うんですが、ドイツではそんなことはなくて「優秀だな」と思いますね。」

大竹「日本に来て、髪の毛や下着の色までチェックする厳しい校則があると聞くと、何してるんだこの国はとか思いませんか?」

へフェリン「ちょっと思いますね。小学校も学校によっては「ブラジャーはしてはいけません」という決まりがあるそうです。「そのままだと風邪をひくから」という理由をつけて、ブラジャーはダメだというんですが、発育のいい子もいるから結構ひどいなと思います。なんか「子供には子供らしくいて欲しいからブラジャーなんかして欲しくない」という大人の願望が入ってるんじゃないかなと私は疑ってます。」

大竹「サンドラさんが考える、本当の多様性とはどういうことですか?」

へフェリン「本当の多様性として私が思っているのは「決めつけないこと」です。「この人は見た目が外国人っぽいから外国人だろう」とか、「外国人だったらきっとこういう行動をするはず」とかイメージだけで決めつけてしまうことがあると思いますが、実際には、私もそうですけども、いろいろなルーツを持つ人がいます。私は、母が日本人、父がドイツ人で、日本人なんですが見た目は外国人なので、「日本語ができないんじゃないか」とか、外国人として扱われることも多く、もうちょっと話を聞いてくれたらいいと思うことがあります。見た目で決めつけないで、その人をじっくり見て、その人が話すことをじっくり聞けば、あまり誤解も生じないんじゃないかなと思います。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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