防衛費2%論とウクライナ侵攻の微妙な関係を政治アナリスト・伊藤惇夫が解き明かす
スタジオトークも白熱!6月17日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)は、政治アナリストの伊藤惇夫さんをお招きして今気になっているニュースを解説してくれた。
伊藤惇夫「まず1つ目は防衛論議です。そもそも「国防」とは、突き詰めて言えば国民の生命と財産を守ることですよね。ロシアのウクライナ侵攻以降、核の共有論議とか憲法改正による緊急事態条項とか、便乗的に防衛・軍備体制を強化しようという動きが自分目立ちます。」
大竹まこと「ちょっと浮き足立ってる感じもします。」
伊藤「そうですね。長年言いたかったことがやっと言えるみたいな感じですね。変な言い方ですけどこれはある意味ウクライナに失礼ですよ。中でも僕が気になるのは防衛費の2%論です。予算の積み上げが全くない中で「とにかく倍にしろ」「日本は少ないんだ」「ドイツは倍にしてる」という議論ばかりが出ていますが、日本の「防衛費」は今でも世界の6~7番目なんです。もし2%に増やすと世界3~4番目ぐらいの防衛費になるんですね。金額だけ増やす発想は非常に疑問があるし、自民党の中でも防衛族のまともな人は声あげてるんですけど、何が必要なのか議論して、まずは予算を積み上げるべきです。その上で、このぐらい必要だと言うなら分かるんですけど、まず2%という言い方はちょっと乱暴すぎます。国民の生命と財産を守るために今まず何をやるべきなのかといえば、一例ですけど日本海側に並んでいる原発の防衛体制から手を付けるべきだと思います。福島の原発のケースもあるし、何かの間違いでミサイルが飛んできたら壊滅的ですよ。」
大竹「常駐の警備員を置くとか言ってますね。」
伊藤「10人、20人置いたところで何になるんですかね。原発の防御態勢をつくるのなら納得しますけど、本当の意味で国や国民を守ることから議論が離れている気がします。」
室井佑月「でも防衛費を上げるのは賛成している人のほうが多いわけでしょ。」
大竹「アメリカのバイデン大統領が日本に来たとき日本は防衛費の増額を表明してますし、ちょっと対アメリカを意識しているところもありそうですね。」
伊藤「防衛費を2%に上げると、それだけの予算がいるわけですが、それをどこから捻出するのかという話もありますよね。皆さんが賛成してるのは、やっぱりロシアのウクライナ侵攻がものすごく大きく影響してると思います。でも逆に言うと、こういう時だからこそ、政治は冷静に慎重に進めなければいけない。」
伊藤氏が気になるニュース、2つ目の「衆議院議長のスキャンダル」と3つ目の「野党の劣化」が気になる方はradikoのタイムフリー機能で。
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