【西武】平石洋介コーチ・インタビュー…変化の途中、「温かく熱く見守って」
6月16日のライオンズナイターは平石洋介・打撃コーチのインタビューをお届けした。リーグ戦の再開を前に「変わっていこう」という意志がうかがえた。
――現在63試合を消化したところです。いろんなことがありました。山川選手、源田選手の故障……。平石コーチから見て、これまでのトピックとしては何が?
平石「やはりケガ人じゃないでしょうか。コロナもありましたけど。誰も離脱しない、ケガしないほうがいいんですけど、出たときは出たときでどう乗り越えていくかというのは考えていかないといけない。ただ前半戦は本当によくありましたね」
――とはいえ5割ぐらいはキープしています。それは代わりに出た選手ががんばったというのもあるのでは?
平石「もちろんあると思います。レギュラーがいなくなってガタンと落ちるというのはよくないのでね。チームの底上げをしていかなければいけない。野手だけでなく投手のがんばりが大きかったので、最低でも5割、大きな貯金がなくてもそこはなんとかキープしていきたい。苦しくてもそこはがんばって。(ここまで)なんとか耐えたんじゃないかと思います」
――山川選手は戻ってきてから神がかり的な打球が遠くに飛んでいくところを見せています。打撃コーチとしていかがでしょう?
平石「今年は春先から彼とも話をして。昨年まで苦しんだ2年間でしたが、昨年の終わりに本人も『自分はこうだな』と発見があって。何かと話題になっている『山川がお尻を意識している』という体の点、技術の点も含め、オープン戦の終わりにズレかけたことはありましたが、持ちこたえたというか整理できた。ブレずにやっていると思いますし、ケガする選手、状態の上がらない選手もいる中で山川のマークが厳しかった。しびれを切らしてボール球に手を出しそうなときでも我慢している。やるべきところが明確になっているので、その辺がいいんじゃないでしょうか」
――山川選手の前にどうランナーを出していくか、というのも大事になると思います。1番打者がこれまで山野辺、外崎、源田、金子、若林、呉念庭、鈴木翔平、愛斗、岸、川越と、これだけ起用されています。まだ決まらない(固定されない)でしょうか?
平石「(ほかに)誰が出るのかにもよりますし。途中で若林が一軍入りしてくれて、彼の能力も非常に高いので、1番の候補として挙がります。そういう中で川越が彼の本当にスイングの魅力、遠くに飛ばせる魅力があったと思うんですけど状況に応じてとかカウントによってとか、打席での工夫がかなり見られます。簡単に終わらなくなったといいますか。この2人が直近でいえば候補、彼ら以外もいい争いをしてほしい」
――争いをしながら伸びていってほしいというところでしょうか? 決めてしまうという考えもあると思いますが。
平石「争ってくれたほうがいいんじゃないでしょうか。今後を期待して。ある程度、我慢しなきゃいけないと思うので、すぐとっかえひっかえはしないでしょうけど、そのポジション、打順を奪いに行く選手が出てきてほしい。『隙を見せたらほかの人に取られる』というのはあったほうがいいので」
――これからシーズンも後半に入っていきます。平石コーチの目から見て、ポイントになる打順、選手は?
平石「1番から9番まで固定するのもいいんでしょうけど状態の波がありますので。こちらとしても、うまく監督とヘッドと一緒に、なんとか打線がつながるように(したい)。ただ今年は山川がどっしりと4番を張ってくれているので、そこに1人でもランナーが多い状況で回したいし、その後ろもですね。なんとか相手からしても山川以外で『いたらイヤだな』という打者をできるだけ置くようにはしたんです。そこがポイントになるんじゃないでしょうか」
――ファンは皆「こんなものではない」と、ライオンズの力を信じている部分があります。平石コーチからメッセージを。
平石「もともと他球団から見ていてライオンズは思い切りのいい打者がいたり、振る力があったり、そこが魅力のひとつだったと思うんです。ただ年々メンバーも変わって、それこそ連覇したときなんかは1番からすばらしい選手がそろっていましたが皆、年齢も重ねて。全員が山川や中村のような打撃はできません。思い切り振る準備というのを消したいわけではないんですけど、ただ来た球をなんでも打つだけでは打線にならない。いかにいい形で後ろの打者につなげられるか。もちろん相手投手を仕留めにいくんですけど、野球は流れが大きいと思いますので、いきたいところを我慢するのもひとつ。よく球数を放らせろというんですけど、いい投手に球数を使わせられたら苦労しない(笑)。ただ全員が同じことをしても打線ってつながらないので。凡打ひとつでもいかにいい形で次の打者にどうつなぐか。
たとえばノーアウトでランナーが出ました。1アウトでも2アウトでもそのままというのはなかなか厳しい。少しでもランナーを動かしていけるよう、何か1つ2つでも打席で考えようと若手には(言っています)。すぐ変わるわけじゃないですけど、いまのままじゃアカンというのは皆思っているはずなので、コーチ陣、もちろん監督もですが変わろうとしています。まだ物足りないと映っている部分も多いと思うんですけど、なんとかいい方向に変わっていけるようにしていきますので、温かく熱く見守っていただければと思います」
※インタビュアー:文化放送・長谷川太アナ
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