大手企業が中途採用を積極化 コロナ禍後の事業拡大、リファラル採用で即戦力を確保へ
5月30日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、日本企業が中途採用を積極化しているという産経新聞の記事について、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
上念氏「リファラル採用は経費節減と人材確保の一石二鳥」
大和証券グループ本社は、2022(令和4)年度に前年度比およそ6倍となる200人の中途採用を目指すと発表した。事業領域の多角化に合わせて人材の多様化を図るとともに、コロナ禍の収束を見据えた事業拡大に向けて即戦力を求める狙いがある。
大和証券の中田誠司社長は「ダイバーシティ(多様性)の観点から、真剣に取り組む」と中途採用を拡大する狙いについて説明した。証券営業のほか、エネルギー、農業など新規事業を支える人材の獲得を目指す。
中途採用については、損害保険大手のSOMPOホールディングスも外部人材の多様な経験に期待するとしている。
現在、持ち株会社の従業員およそ500人のうち中途採用は2割。中途採用を含めて職務を明確にし、成果重視で処遇するジョブ型採用の比率を7割まで高めていく方針だ。
そのほか、銀行や外食産業でも中途採用を拡充する動きが出てきている。
一方、採用方法では従業員の人脈を生かした紹介制の「リファラル採用」が目立っており、トヨタ自動車ではこの2年間で20人を採用した。三菱電気も従業員にリファラル採用への協力を求めている。
上念氏は、「要は従業員の中途採用者の紹介制度ってことですよね。そうすると広告媒体を使わなくて良いから採用費用を安く抑えられるじゃないですか。しかも媒体で集めるよりも、勤務実績のある人から紹介してもらったほうが、信頼度が高いということもあるでしょう。いずれにしても経費節減と人員確保の一石二鳥なので、リファラル採用というカッコイイ名前をつけてみました、と。会社によっては紹介すると報奨金でも出るんじゃないですか?」と、企業がこの制度を積極的に利用する本当の狙いを指摘した。
「でも、これ以前からありましたよね?」と寺島アナが問いかけると、「そうですね。紹介っていうのは昔からありましたよ。あと中途採用をこれだけ大々的に、積極的に進めるのは非常に良いことで、私がバブル期に就職した時は中途採用なんてほぼ皆無でしたからね」と、上念氏は自身の経験を披露。転職者にエールを送った。
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