「防災アワー」首都直下地震の被害想定
5月25日、都が10年ぶりに発表した
「首都直下地震による東京都の被害想定」
死者6148人、建物被害19万4431棟と
10年前に想定された数字より3~4割ほど減っています。
建物の耐震化が進んだこと、木造住宅密集地域が半減したためということですが
死者は阪神淡路大震災並みの大きな数字。
4割は火災で亡くなるとされていて、木密地域をさらに減らしていく必要があります。
「防災アワー」に以前ご出演いただいた、東京都立大学名誉教授の中林一樹先生は
被害想定の作成に関わられた専門家のお1人。
「課題はたくさんある。今回の想定は、過去被害が起こったものについて計算されたもの。
想定されていないところで被害が発生するかもしれない」とし、
自分や家族の状況がどうなるのかリアルに想像してほしいので『災害シナリオ』という形を作った。タワーマンションにしても液状化した場所であれば、エレベーターが止まるだけでなく、非常電源もどうなるか、水・電気がこなくなる可能性がある」と話してくれました。
新たな被害想定は都のHPでみることができます。
避難が難しい高齢者も増えています。
スマホのバッテリーが切れたら、どのように家族と連絡を取るか
自宅の他に集合場所を決めておくことも大切です。
デジタルだけでなく、アナログで避難先を書いた紙ををドアの内側に貼っておくなど家族で話し合って決めておきましょう。
また、災害は地震・大雨だけではありません。
5月27日、都は「緊急一時避難施設」として、
東京メトロ・都営地下鉄の地下駅舎と地下道など、都内109カ所を
指定しました。地下を避難施設に指定するのは初めてです。
ミサイル攻撃などの爆風から都民を守るためということですが、
ウクライナの状況、また北朝鮮の頻繁なミサイル発射もあり、知事は
「何をするか分からない隣国があるならば、その想定も広げていくというリアルな判断」と話していました。
写真・東京都提供
さて、きょう5月28日は厳しい暑さとなり、都内で4人が熱中症で搬送されましたが、
明日29日は真夏日だけでなく、猛暑日になるところもあるかもしれません。
気象庁の3ヵ月予報でも、この夏は全国的に気温が高め、6月の雨量も多めとなりそうです。
写真・気象庁ヵ月予報の記者会見 異常気象情報センター楳田所長
大雨・熱中症への備えもしておきましょう。
明日5月29日朝5時5分~の「防災アワー」
ゲストは東京大学大学院客員教授で、「タイムライン防災」の第一人者
松尾一郎さん。
ぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子