「テレビCMは禁止か回数制限が世界標準です」ノンフィクション作家・本間龍が解説する憲法改正の国民投票に伴う広告の在り方とは?
5月27日の「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)では、大手広告代理店での勤務経験を活かし、広告が政治や社会に与える影響を題材にした作品を多数発表しているノンフィクション作家の本間隆さんをお招きし、国民投票法を巡るテレビ広告のあり方を伺いました。
本間隆「国民投票自体はヨーロッパを中心に毎年行っている国もあります。僕は国民投票のシステム自体に問題があるとは思ってないんですが、システムの建て方に大きな問題があると指摘しています。それが何かというと、広告費を巡る制限がないことです。お金さえあればテレビやネットのCMを無制限に打ち続けることができるんです。」
室井佑月「大手のメディアが規制に反対しちゃって、わたしすごいびっくりした。」
本間「私とジャーナリスト今井一さんという方が中心になり、3~5年ぐらい前から、特にテレビにおけるCM制限をやるべきではないかという話し合いを行って来ました。」
室井「国民投票の広告、イエス・ノーの分量を同じにすべきってことでしょ。」
本間「参議院選挙では、ポスターや新聞などある程度は国が補助している部分があるんですよね。同じように国民投票も広告費に関しては国が同じ金額を賛成派・反対派に提供して、その中で塩梅をしないと、お金のある方が圧倒的に有利になってしまいます。」
室井「テレビで何回もピザのCMが流れると、ご飯を食べ終わった後でもピザが食べたくなるもんね。」
大竹まこと「俺は、ご飯食べ終わったあとは流石に食べたいとは思わないけどね。」
本間「有名な刷り込み効果というやつですよね。何回も見ていると、人間の心理としてそっちの方がいいのかなって思ってしまう。そういうことであるなら、条件を同じにすればバイアスがかからなくなるのではないか、ということをずっと言い続けているんですけど、なかなか憲法審査会でも憲法改正したい与党側は話し合いをしたがらない。今、国民投票法の改正案が審議されてますけれど、その中でもなかなかCM・広告費の規制に関しては話が進んでいないという状況です。」
室井「それは最低でも公平さを守らなきゃいけないことだと思うのね。だってやっぱりテレビ番組とかって、与党のほうが情報を発表することが多くて、バイアスが与党よりにかかってるわけでしょ。」
本間「やっぱり改正するのかしないのかという命題になった時、改正するという方が露出度が高くなりますよね。ちなみに、国民投票が何回も行われているヨーロッパ各国やカナダでは、テレビCMに付いて規制をしていない国は殆ど無いんですよ。イギリス、フランス、スイスといった国々では、テレビCMは禁止するとか、かなり厳しい規制を加えてるんですね。というのはやはり、テレビCMは特に影響力が強いという風にみなされているんですね。ですから、おそらく禁止または回数制限が世界標準って言ってもいいぐらいなんです。」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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