【西武】内海哲也投手インタビュー…「諦めの悪い男」が怠らなかったこととは?
5月19日放送のライオンズナイターは内海哲也投手(兼任コーチ)のインタビューをお届け。5月7日に史上92人目の通算2000投球回を達成した内海投手に、そこに至るまでの思いを聞いた。印象深い場面を聞くと、セ・リーグの懐かしい選手の名も飛び出した。
――2000投球回到達、おめでとうございます! 『この記録は何が何でも達成したい』とおっしゃっていました。それはなぜ?
内海「目の前にあって、届かない数字ではなかったですし。あと5イニング、『できるな』とも思っていたので。そういう気持ちから言っていました」
――何年も前から2000投球回については言われていましたね。
内海「ジャイアンツにいたころから1500奪三振(2020年に達成)、2000投球回は目前だったので。だいぶかかったなという感じです」
――最初の500イニングまでが4シーズン。1000イニングまでがプラス3シーズン、1500イニングまでがプラス3シーズン。2000イニングまでが足かけ9シーズンでした。ご苦労なさいましたね。
内海「ようやく達成できてうれしいです」
――「このまま終わってしまうかもしれないと思った時期もある」という話もされていましたが。
内海「二軍にいる時期が長く続くと気持ちも参ってきて。(一軍が)近くて遠い場所だと思いながらCAR3219(カーミニーク)フィールドでやっていました」
――二軍と一軍の球場が12球団一、近いですからね。
内海「そうなんですよ。土日のイースタンリーグでも(一軍の)音は聞こえるので刺激にはなるんですけど」
――「腐らず諦めずやってきてよかった」ともおっしゃっていましたね。
内海「諦めの悪い男なので。どこかで何か起こるんじゃないかというのと、そうなったとき後悔はしないようにと準備だけはしっかりしてきました。急に呼ばれて『やっておけばよかった』と思うのが一番悔しいので。いつでも大丈夫という状態をつくるのがプロとして当たり前だと思いますし、怠らずにやってきた結果かなと感じています」
――2000イニング、6000個のアウトを積み重ねるというのは考えると気が遠くなるんですが。あの場面、あの打者を打ち取った、という記憶の中で、パッと思いつくものは?
内海「正直ないですね。打たれたのはすごく憶えています」
――イヤな記憶をひもとくようで申し訳ないですが、それはいつ?
内海「1年目のとき、消化試合だったんですけど。東京ドームの阪神戦で。8回まで勝っていたのに、金本(知憲)さんに3ランを打たれて逆転されたんですね。やはりプロって厳しいなと。それまで有効に使えていたスライダーを物の見事にライトスタンドへ運ばれて。一流の打者は違うな、と鮮明に記憶しています」
――18年も前ですよ……。直近の記憶をたどっていただきますと、5月7日の日本ハム戦。5回を3安打1失点。白星はつきませんでしたが勝利投手の権利を得てマウンドを降りました。
内海「今年はイースタンリーグのころから状態がよくて。フォームのバランスやリズムなど。一軍に呼ばれることになっていろいろ考えたんです。僕の悪いところで、一軍だからと気持ちが入りすぎて、空回りするということが多かった。登板する前は何も変えない、背伸びしない。イースタンでしてきたことをそのまま出せるよう心がける、そう考えてやっていました」
――「緊張はするが、この舞台はヤミツキになる」とコメントされていました。やはりワクワクしましたか?
内海「しましたね。制限も緩和されてお客さんも多かったので。いちばん気持ちが下がっているときに『やはり最後は満員のお客さんの前で投げたいな』という気持ちもあったので。ブルペンも外(スタンドから見える場)にあるので、緊張もしましたけど、最高だなと思いながら準備していました」
――当日は放送席で実況していました。ワインドアップモーションが本当に美しいですね。こだわりはありますか?
内海「はい。そんなに速い球のある投手ではないですし、勢いをつけるために体を大きく使って、真っすぐを速く見せると」
――兼任コーチをされています。ご自分からアドバイスしますか? それとも選手から聞かれたら?
内海「聞いてもらえたらいいなと思っているんですけど、僕は選手でもあるので。二軍の選手は大石コーチ、長田コーチ、清川コーチがつきっきりで見ているので。たまにしか“やらへん”コーチがちょっかい出さないほうがいいかな、と思いつつ、本当に気になったら言うこともあります。コーチのときは『若い選手を観察する』と言うのを心がけていますね」
――まだ内海さんに一軍のマウンドで投げていただきたい、というのがファンの総意かと思います。次の公式戦登板はいつになりそうですか?
内海「わからないですけど、早めにいただけたらいいなと。先ほども言いましたが準備を怠らず、そのときを待ちたいと思います」
――個人的に交流戦で、移籍後初の打席に立っていただきたいなと思うんですが。すごく一生懸命にヒットを打とうとする、力んでいる姿が大好きだったんですよ。
内海「打撃は『本職』じゃないんで(笑)。セ・リーグ時代は思い切り楽しんでやっていましたけどね」
※インタビュアー:文化放送・斉藤一美アナ
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