6月1日から「線状降水帯」予測が始まります
まもなく出水期を迎えます。
九州北部豪雨や西日本豪雨・熊本豪雨など、多くの大雨災害を引き起こした「線状降水帯」
「線状降水帯」とは、発達した積乱雲が次々と発生しライン状に連なるもので
同じ場所で非常に激しい雨が数時間降り続き、急激に危険度が高くなる現象です。
気象庁は来月1日から
「線状降水帯」が発生する可能性がある場合
半日~6時間前までに「予測」を発表します。
といっても、現時点での予測精度は決して高くはありません。
18日の記者会見で、気象庁・長谷川直之長官も
「線状降水帯の予測の第一歩と捉えている」と話していました。
地域は「九州北部」「関東甲信」のように
全国を11に分けた大まかな地方予報区単位で、
2024年に県単位、2029年に市町村単位での発表を目指します。
過去の事例で検証すると
「的中率」は4回に1回程度…つまり「空振り」も多く
逆に予測しなかったのに「発生」という「見逃し」も3回に2回程度あるということです。
「線状降水帯」という形にならなくても、大雨になることも多く
ひとたび「線状降水帯」が発生すると非常に大きな災害に結び付くということで
油断せずに、発表があったらしっかり警戒してほしいと強調していました。
過去、大雨災害の被災地で取材すると、
「こんなことは今までなかった」「逃げようとした時には道が川になっていて車を出せなかった」
「雨が止んで少しホッとしたら明け方一気に浸水した」「なんで備えておかなかったんだろう」…
など様々な声が聞かれました。
↓ 2017年九州北部豪雨 発災5日目の福岡県朝倉市杷木の様子
「線状降水帯」により9時間で平年の2ヵ月分となる800ミリ近い雨が降りました…
高齢だったり、体が不自由だったり避難が難しい方もいます。
「線状降水帯」という言葉が一つのキーワードになって、
早めの避難行動に繋がるかもしれません。
繰り返しになりますが、あらためて
お住まいの地域のハザードマップや避難場所・避難経路を確認しておきましょう。
毎週日曜朝5時5分からお送りしている「防災アワー」
22日には「タイムライン防災」の第一人者、松尾一郎先生に
熊本豪雨からまもなく2年となる「球磨川水害タイムライン」について
お話いただきます。
ぜひお聞きください。
気象予報士 防災士 気象庁担当記者 伊藤佳子