日英首脳会談「協力関係」を強固に 円滑化協定で覇権主義的なロシアや中国を抑止
5月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、岸田文雄首相がイギリスのジョンソン首相と会談したニュースについて、金曜コメンテーターで岡三証券チーフエコノミストの会田卓司氏に、寺島尚正アナウンサーが意見を求めた。
英国、EU離脱で環太平洋に「経済」接近
イギリスのジョンソン首相は岸田首相との会談の前に読売新聞のインタビューに応じ、「ヨーロッパと東アジアの安全保障は不可分だ。分けられない」と述べ、日本との安全保障分野の協力拡大に強い意欲を表明した。
また、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえて、日本と連携して国際秩序の立て直しに力を尽くす考えを強調。イギリスが2020年にEU(欧州連合)を離脱した後、インド太平洋地域への関与の拡大を進めてきたことについて、ジョンソン首相は「正しいこと」として、路線の見直しは必要ないとの認識も示した。
このようなイギリスの動きを、会田氏は次のように見ている。
「イギリスはEUから離脱して、EU一辺倒の経済戦略の見直しをしている最中になります。アジアを含む他国間の協調を必要としていますし、さらにTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への加入を目指していますので、その基準国である日本との協力関係を構築したいということだと思います」(会田氏)
そんななか、岸田首相は訪問先のロンドンでジョンソン首相と会談し、日本の自衛隊とイギリス軍が互いの国を訪問する際のルールを定める「円滑化協定」について大枠で合意した。この協定によって日英の共同訓練の機会を増やして、覇権主義的な動きを強める中国やロシアを抑止したい考えを示している。
加えて、ジョンソン首相は日本との貿易促進のために、対日貿易特使を新たに任命したことも明らかにした。
会田氏は「アメリカを軸にイギリスと日本で自由民主主義体制を維持する協力関係を強固にしていかなければいけないという方向性が、政治だけではなくて経済関係にも現れているのだと思います。先の視点は中国との対立だと思います。ロシアに対しては融和措置をしてしまって、やはりEU諸国は厳しい状況に追い込まれていますから、中国との対立はより戦略的に進めていこうという考えの現れだと思います」との見解を示した。
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