ドローンで煙突調査?工場メンテナンスで進むデジタル化の現状とは?
5月2日放送の「L is B presents 現場DX研究所」では、先週に引き続き、山九株式会社プラント・エンジニアリング事業本部メンテナンス技術部長の加藤慎二さんをお迎えして、工場メンテナンス事業のデジタル化の現状などについて話を伺った。
松井佐祐里アナ「ドローンを活用した検査を導入しているとお聞きしましたが?」
加藤慎二氏「グループ会社の日本工業検査株式会社とドローンメーカーとの3社でプラント(=工場)メンテナンスに関わる所でドローンを活用できないか取り組んでいます。現状はまず画像による目視の検査、赤外線カメラによるガスの漏洩、板厚(板の厚み)の測定に取り組んでいます」
松井「なぜこれを始めたのですか?」
加藤「この目的というのが、プラント設備というのは、煙突、タワーなど100mくらいの高さのものもありまして、そこが腐食するんですね。検査に行かないといけないんですけど、通常じゃ近寄れないので足場をかけないといけない。コストや時間もかかりますし、人が高い所に登るので危険な部分もある。そのあたりを削減するためにドローンに検査キットを付けて飛ばして、検査できないか?取り組んでいます」
L is B代表・横井太輔氏「実際、実施はされてるのですか?」
加藤「実証実験という形でやっています。今の段階で課題は見えてきてますので、やるたびに解決していけば間違いなくメリットが出て来ると思います」
松井「スマートグラスの活用についてはいかがですか?」
加藤「メガネ型のデバイスなんですけど、メガネで見える風景にディスプレイが付いているんです。そこにデジタルデータが表示される。例えば図面が見えるとか」
横井「まるで映画の世界ですね」
加藤「音声で操作できますので例えば、写真を撮ってくれと言ったら写真を撮ります。ファイルを開けたいなと思ったら、AのファイルのBのデータが出て来るとか」
横井「皆さん、両手ふさがってますからね」
加藤「購入していろんなタイプがあるので、一番作業に適するものはないか?ということで調査しながら取り入れていきたいとなと思います」
松井「加藤さんがDX化する中で気づいたことはどんなことですか?」
加藤「特に思っているのが自分たちの業務をどうしたいか?何がしたいのか?また何を改善したいという目的をしっかり持っていないとDX化ってうまくいかないのかなと思っています。特にドローンが流行っているから自分たちの作業にドローンを使えないか?という所から入ってしまうとドローンを使うことが目的になってしまう」
横井「手段の目的化ってありますよね」
加藤「だから、それでやってしまうと、他のやり方のほうが改善できるものがあるかもしれないのに間違ったことになってしまうのかな?と感じています」
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この記事の番組情報
L is B presents 現場DX研究所
月 20:00~20:30
『温故知新』をテーマに、建設業や小売業など現場向けのビジネスチャットツール『direct』などをリリースする会社L is Bの横井が、様々な企業の代表者と対談…