村上信五くんと経済クン 秋元康さんをお迎えして開局70周年特別講義！

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【秋元康さんの“きっかけはラジオ”】
高校２年生の夏、ニッポン放送の番組に平家物語のパロディを書いて送ったのが全ての始まり。「面白いから遊びに来い」と言われ、出入りするようになった。当時、音楽や映画、恋愛など、色々なことを教えてくれたのがラジオ。お兄さんやお姉さんのような存在だった。高校２年生の冬には放送作家としてニッポン放送でレギュラー番組を持ち、高校３年生・大学１年生の時には「セイ！ヤング」などの番組を文化放送で担当していた。その時に感じたのが、「人気と認知は違う」ということ。誰もが知っている有名人がCDや写真集を出しても売れるとは限らない。しかし、一般的に有名でなくても、ある分野で人気のある人はCDや写真集が売れる。だから“刺さる”ということが大事だと学んだ。
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【当時のラジオのあり方】
ラジオが発信基地だった。ラジオというすごく狭い世界で、自分だけが知っていると思うことが共犯のようにリスナーの輪が広がっていく。まさに“共犯意識を作りやすい”。今でも番組などを作る時、秋元さんはこの感覚を大切にしている。
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【AKB48・坂道シリーズの立ち上げ】
もともと演劇が好きで、いつかやりたいと思っていた。テレビやラジオは、視聴率や聴取率が目に見えない。しかし演劇は、チケットが完売したり、お客さんの行列や反応などを肌で感じることができる。だから最初は演劇をしようと思い劇場を作れる場所を探していたところ、秋葉原に良い場所があった。当時、“オタク”や“萌え”などが流行っていたため、それらを取り入れてやってみようとしたのが始まり。手探りだったが、お客さんが色々なことを教えてくれた。そこはリスナーからの反響がすぐに届くラジオと関係性は似ている。まさにファンが文化を作ってくれた。よく「秋元さんはメンバーの誰がスターになるかよく見極められますね」と言われるが、正直全くわからない。大体ファンの方が「この子はすごい」と見つけてくれる。
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【わからないことが面白い】
ファンの方たちが「フラゲ日だ」と言っている意味が最初は分からなかった。発売日の前日に手に入れることを「フラゲ＝フライングゲット」というと知り、それがAKB48の曲になった。まさに分からないことや引っかかった言葉がエンタメに昇華されている。
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【秋元康さんが40歳の頃】
考え方が変わった時期。業界に入ったのが早かったので、「リスナー・視聴者はこういうものを求めている」というターゲット論がそれまではすごくあった。「こういう時間帯だからこういうラジオ・テレビを作るべき」「大衆はこういうものを求めている」とよく言っていたが、自分がその時間帯にいてもそのラジオを聴かない、その番組を観ないということに気づいた。自分も大衆の一人なのに自分に刺さっていない。だから、自分が面白いと思うものを作らないといけないということに40歳の時気づいた。どんな魚がどこにいるかを調べて、同じ餌で釣り糸を垂らしても、調べた１秒後には魚たちは移動しているかもしれない。止まっている時計は１日に２回正確な時間を示す。だからずっと止まっていた方が良い。ジャニーズ事務所は方針がぶれることなく、ずっと同じことをやり続けている。それが素晴らしい。
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【10年後の日本のエンターテインメントは？そして10年後の秋元康さんは？】
みんなもっとグローバルに活躍していると思う。年を取るということは、初めてがどんどんなくなるということ。ワクワクドキドキすることが少なくなる。しかし、ワクワクドキドキがなくなったら物は作れなくなると思う。だからこそ、次の新しい面白さは何だろうというのを常にどこかで探している。
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プライベートでも親交があるという秋元さんと村上さん。しかし、仕事について語り合ったのは初めてということで…貴重なお話をたくさん聴くことができました。日本のエンタメ界を代表するお二人の対談、ずっと聴いていたかったです！秋元さんの口からぽろっと出た、村上さん主演ドラマ「半分先生」の構想…。とても面白そうでした！いつか本当に実現しますように！！楽しみにしております！！
坂口愛美