【番組レポ】70時間特番『開局70周年もっと一緒に!文化放送リスナー大感謝スペシャル「きっかけはラジオ」』
文化放送は、3月31日(木)に開局70周年を迎えました。
これにあたり「もっと過激にもっと優しく」をコンセプトに掲げ、様々な70周年企画を実施してきましたが、3月28日(月)~4月3日(日)にリスナーに感謝を伝える1週間の特別企画「開局70周年ウィーク」を開催。
この「開局70周年ウィーク」の目玉企画として、開局記念当日となる3月31日(木)午後10時00分から4月3日(日)午後8時00分まで、70時間特番『開局70周年もっと一緒に!文化放送リスナー大感謝スペシャル「きっかけはラジオ」』を編成し、レギュラー番組も含めたスペシャル企画を放送しました。
目次
『50年目のアリスの告白』 3月30日(水):午後3時30分~5時00分
この特番では、文化放送の70周年と奇しくも同じタイミングの3月で50周年のアニバーサリーを迎えたアリスの谷村新司、堀内孝雄、矢沢透の3名が、「きっかけはラジオ」をテーマに90分にわたる生放送で語り合いました。
番組では、今まで誰にも言えなかった秘密や、言いたくても言えなかったこと、ちょっとした告白などラジオだからこそ言える告白を募集し発表する「リスナー投稿“ラジオで告白”」のコーナー、アリス自身が楽曲秘話やメンバーに話していないことを“ラジオで告白”する「今だからいえる、アリスの“告白”」のコーナーなど、盛り沢山な内容の90分となりました。
「今だからいえる、アリスの“告白”」では、谷村が60歳くらいまでポン酢などの酸っぱいものが苦手であったことを告白。さらに谷村は、「もう一つ告白しておきたいのは、今年アリスが50周年を迎えて、ベーヤン(堀内)にしてもキンちゃん(矢沢)にしても二人が元気でいてくれることがすごく嬉しい。週に1回とか2週間に1回会うと、お互いに『生存確認』って言いながら笑ってるんですけども。3人がこうやっていられることを考えると奇跡のような気がする。愛おしいですよ」と感慨を込めて語りました。
『レコメン!』3月31日(木)午後10時00分~深夜1時00分
「70時間特番」のオープニングを飾る『レコメン!』では、レギュラーパーソナリティを務める桐山照史&中間淳太(ジャニーズWEST)に加えて、「開局70周年ウィーク」のスペシャルアンバサダーを務める村上信五(関ジャニ∞)が番組のオープニングから登場。
村上は、文化放送にまつわる思い出として「文化放送さんには四谷時代からお世話になって。当時はお金がなかったので、六本木のホテルから自転車で通ってたんですよ。それで電車代を浮かして夜のごはんに充てようとして」と当時を振り返りつつ、『70時間特番』のメインパーソナリティを務めるにあたり「えらいもんをお願いしてくださって。ちょっとでも恩返し、というのもおこがましいけど、微力ながらと思いながら、(田村)淳さんと(いとう)あさこさんと分担しながらの70時間にしていきたいです」と意気込みを語りました。
続いてスタジオには、いとうあさこ、田村淳も登場。淳は『70時間特番』について「70周年だから70時間やるっていうのは。80周年のときのために、そこそこにしておいたほうがいいと思うんですよ(笑)」と笑いを誘いました。
また、いとうは「印象的なリスナー」という話題で、自身がパーソナリティを務める『ラジオのあさこ』(土曜 7時00分~9時00分)について、「放送で『唇に人生3回目のヘルペスができました』って言ったら、メールが来て『あさこさんがヘルペスになるのは5回目です。何月何日の放送で4回目のヘルペスになったと言ってましたから』と教えてくれて(笑)。体のことをお互いに預け合えるリスナーですね」と明るく語りました。
この後は、Sexy Zone、King & Prince永瀬廉などレコメンファミリーによる「#きっかけはラジオ」についてのコメントが紹介されたほか、Snow Man・佐久間大介、オテンキのりもスタジオに生登場しました。
『今田耕司・東野幸治のCome on FUNKY Lips!』3月30日(木)深夜1時00分~3時00分
『今田耕司・東野幸治のCome on FUNKY Lips!』は、1994年4月から1999年9月まで放送された深夜番組。多くのリスナーの記憶に残り、伝説として語り継がれる今田耕司・東野幸治のラジオでのトークが23年ぶりに蘇りました。
番組は23年のブランクを感じさせないトークでスタートし、オープニングトークだけであっという間に40分が経過。放送当時大学生だったという女性からのメールを受けて年齢別聴取率の話題にでは、東野が「大竹まことさんが低音でおだやかなラジオをやってはるけど、そういえば昔テレビでセットを壊してたなあと。そういうイメージの人がこういう語りになるねんなあと」と語れば、今田は「お昼のラジオとか憧れへん?俺が10代でバイトしてたときに聴いてた坂東(英二)さんのラジオみたいなのをいつかやりたい。配達の信号待ちで笑ろたら、周りの車もみんな笑ろてんねん」とラジオへの思いを語りました。
番組後半では『Come on FUNKY Lips!』のハガキ職人から放送作家になった人たちからのメッセージを紹介する企画のほか、人気コーナー「三つの新曲」が復活。終盤では今田のピアノ演奏が聴きたいというリスナーからのリクエストに応え、ビートたけしさんから譲り受けたピアノで練習しているという映画『戦場のメリークリスマス』のテーマを披露しました。
『いとうあさこのセイ!ヤング』3月31日(木)深夜3時00分~4時44分
1969年から1994年にかけて放送していた文化放送の看板番組『セイ!ヤング』は、これまでさだまさしや谷村新司など多くの人気タレントが担当しました。この70時間特番内では、70周年ウィークスペシャルアンバサダーでもある、いとうあさこがパーソナリティに挑戦しました。
当時の雰囲気を再現し深夜3時からの「生放送」で、ハガキでのメッセージを募集して放送。いとうは自身のレコードを20枚持参。生放送ではしゃべりながらレコードの「針落とし」に挑戦し、LP盤では失敗も見せながらもお届けしました。また、番組内では1972年10月から1978年3月に同番組を担当していた谷村新司やいとうが大ファンである近藤真彦からのコメントメッセージもオンエアされ、いとうは感激しきりで約2時間の放送を楽しみました。
『梶原しげるの本気でDON DON』4月1日(金)午後3時30分~5時45分
1988年4月から12年にわたって放送した伝説のニュース探検番組『本気でDON DON』が復活。キャラクターの濃い、懐かしいメンバーが続々と登場し、番組放送当時に行ったゲリラ取材の数々も振り返りました。
この日は、梶原しげるをパーソナリティに、ニューズィング・パーソン(コメンテーター)を競馬評論家の井崎脩五郎、アシスタントを伊藤佳子アナウンサーが担当。番組前半では、13年間番組のチーフを務めた久利一が登場し、番組の誕生秘話などを語りました。この番組について久利は、「とても乱暴で、アグレッシブな番組でした」とし、「あるときハマコー(元衆議院議員・浜田幸一)さんが『バカヤロー!』と怒って電話をかけてきたことがありました。それで番組に電話をつないだら、ハマコーさんが言いたいことを言って、『いい番組じゃないか。がんばれよ』と。あれはよく覚えてますね」と当時を振り返りました。
また、長期にわたって独自に調査を行なっていたオウム真理教の取材について振り返るパートでは、オウム真理教問題に取り組み、のちにオウム真理教徒によって殺害された坂本堤弁護士が出演した際の音声などがオンエアされました。一連の取材を担当した塚本茂ディレクターは、「(教団幹部らの)死刑が執行されてしまった今、もはや事件の核心的な部分が明らかにされることはなくなってしまいましたが、二度とオウム真理教のような宗教団体が出てくることはないと本当に言い切れるのかどうか。そうしたモヤモヤした気持ちは坂本堤先生の事件から30年以上経った今も心の中で続いています」と語りました。
このほか番組には、当時ニューズィング・パーソンとして出演していた辻元清美、探検隊員として出演していた佐藤治彦、リスナーとして番組のファンであったというキャシー中島らが登場し、当時の思い出を語りました。
『ますだおかだ岡田圭右とアンタッチャブル柴田英嗣のおかしば』4月2日(土)午前11時00分~午後1時00分
番組パーソナリティの岡田圭右、柴田英嗣に加えて、伊東四朗、いとうあさこ、田村淳の土曜日パーソナリティメンバーが登場しました。
オープニングは伊東四朗の“開会宣言”でスタート。「伊東四朗です。『お前は3時からだろう』って?時間は間違えてませんよ。(中略)私は『親父・熱愛』が終わるまでの6時間出ずっぱり!どこでトイレに行こうか悩んでます」とリスナーに語りかけました。
番組は喋りの達人たち5人が終始笑いの絶えないトークを披露。さらに特別企画として「ラジオ事件簿座談会」と題し、自身のまわりで起きた「ラジオ」に関連した事件を発表しました。伊東四朗の選定によるベストエピソードには、いとうあさこの「雨の日のおもらしエピソード」が選ばれ、いとうには伊東四朗ゆかりの「白子のり」のセットが贈呈されました。
エンディングで岡田から「ラジオを長く続ける秘訣」を問われた伊東は「普段は『24時間喋るな』と言われたら喋らない人なのよ。それが40年前に、4時間の生放送をやってくれという話が来た。でも、無口な奴に4時間やらせるということに何か可能性を見つけたんだなと。追い詰められるとどんなことをするかわからんというところがあって、私も自分の可能性に賭けてみようと思った。だから、秘訣というものは全くないの。無口な男がなんとかやってきた。それしかない」と思いを語りました。この発言を受けて淳は「じゃあ、いいじゃないですか。岡田さんも放送が終わったら全く喋らないから(笑)」と笑いを誘いました。
『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』4月2日(土)午後1時00分~3時00分
『ロンドンブーツ1号2号田村淳のNewsCLUB』では田村淳をパーソナリティに、引き続き伊東四朗、いとうあさこが登場。一週間のニュースを振り返りつつ、「70周年企画」として文化放送の土曜の「顔」伊東四朗の人生に迫るクイズ企画「クイズ伊東四朗さん」を実施しました。
「クイズ伊東四朗さん」では、伊東の過去のインタビューにおける発言から作成された「伊東さんがビタミン剤の缶に集めていたものとは?」「台詞を忘れたことがない伊東さんがたった一度だけ台詞が出なかった理由とは?」などの問題に田村淳やいとうあさこが回答しました。その中の問題「伊東さんが初めて『ウケる』という感覚を味わった、中学の英語劇で演じた役とは?」の答えは「さるかに合戦の猿」で、伊東はその劇について「終幕する前に急に思いついたのが、『幕が閉まる予定の位置よりもお客さん側に出ちゃったらどうなるんだろう?』と。それで木から落ちた勢いでフットライトの前まで行って、緞帳が下りてきたら、拍手喝采。私が照れくさそうに頭をかいたりすると、お客さんは大笑い。それが残っていて、この世界で笑いをやってみたいなというのがどこかにあったんだろうね」と懐かしそうに振り返りました。
迎えたエンディング。番組の感想を聞かれたいとうあさこは、「伊東四朗さんの人生が面白すぎて、一生聞いてたいぐらい。たまらんですよね」と感嘆しきりでした。
『祝!文化放送開局70周年 ノン子とのび太のアニメスクランブル~アニラジの歴史はここから始まった~』4月2日(土)午後7時00分~9時00分
A&G(アニメ&ゲーム)ゾーンで最長番組である『ノン子とのび太のアニメスクランブル』をスペシャル版として放送。パーソナリティの日髙のり子、長谷川のび太(長谷川太)アナウンサーに加え、文化放送とも馴染みの深い各世代の声優をゲストに迎え、これまでのアニラジの歴史を振り返りました。ゲストに、林原めぐみ、櫻井孝宏を迎え、『名探偵コナン』作者の青山剛昌先生らがコメントで出演しました。
前半のゲストとして登場した櫻井孝宏は「今年32年目を『アニスク』に一言」という質問に「ヤバい!」と回答し、「32年ですよ。すごくないですか? どうお思いですか?」とパーソナリティの二人に逆質問。これに対し日髙が「(放送開始時は)独身で、結婚して。私は産休も取らせていただいて。それこそ、いろんな人の力を借りて続いてきた32年だったなと思います」と感謝を口にすると、櫻井は「そういうふうに関われている人たちもハッピーなんじゃないかと思います」と称えました。
後半のゲストとして登場した林原めぐみは「初めて聴いたラジオ番組は?」という質問に「中学生の頃聴いた『宇宙戦艦ヤマト』のラジオドラマ」と回答。「夜中に放送していて、友達と電話しながら同じラジオを聴いてました。本当は部屋で聴きたかったけど、玄関の黒電話しかなかったから、そこへラジオを持って行って毛布にくるまりながら聴いてました」と思い出を語りました。
さらに、コメントで出演した青山剛昌先生は、長谷川アナウンサーからの「『名探偵コナン』の犯人を『全身黒タイツ』風に表現するようになった経緯は?」という質問に、「あれは『金田一少年の事件簿の黒い人』を参考にしています。原作者の樹林さん(=天樹征丸)と対談したときに『あの黒い人は発明だよね!』と盛り上がりました」と回答するなど、創作の舞台裏などを語ってくれました。このほかにも水樹奈々、堀江由衣、音楽ユニットangelaのatsuko、KATSUが祝福のコメントを寄せてくれました。
エンディングで日髙は番組のこれまでの歩みを振り返って、「何を話したかは覚えてないんだけど、のびちゃん(長谷川アナ)がどんな佇まいだったかとか、私たち二人の間の空気感はどんな感じだったかとか、そんなことを思い出しました。ゲストの方も回を重ねるごとに番組に馴染んでくださって、より深い話ができるようになっていくという過程も楽しかった。長くやってるといいことがあるね」と明るい声で締めくくりました。
『吉田照美のてるてるワイド』4月3日(日)午後2時00分~4時00分
放送当時番組スタッフだった小山薫堂、宮沢章夫がスペシャルゲストで登場。
ラジオの帝王・吉田照美が局アナ時代に中高生から絶大な人気を博していた
『吉田照美のてるてるワイド』(1980年~1987年)が生放送で復活しました。
当時番組スタッフだった小山薫堂、宮沢章夫がスペシャルゲストで登場しました。また当番組の総合プロデューサーを、文化放送代表取締役社長・齋藤清人が務めました。齋藤は、当時の『てるてるワイド』のヘビーリスナーであり、文化放送入社後は『吉田照美のやる気MANMAN!』など吉田照美の番組を長らく担当していました。
番組では放送当時の音源や、内包していたアイドル番組の音源をふんだんにオンエア。松田聖子さん、近藤真彦さん、野村義男さん、松本伊代さんらの当時のトーク音源が番組を彩りました。また、近藤真彦は今回の特番に寄せて、「当時は勢いのあるヤンチャ坊主。そんな僕を笑って許してくれた照美さんはさすがでした。文化放送の番組でリスタートできたのも照美さんの後押しがあったからだという気がします。節目節目に僕のために現れてくれる男、伊集院静か吉田照美か、というところですね」とコメントしました。
前半のゲストとして登場した宮沢章夫は、「ゴミ箱炎上事件」など、放送作家時代の逸話を吉田照美と振り返りました。現在のラジオ界への提言を問われた宮沢は「他局では久米宏さんや荒川強啓さんの番組が無くなりましたが、文化放送は断固、大竹まことさんの番組を残していただきたい」とエールを送りました。後半のゲストとして登場した小山薫堂は、「放送作家当時、照美さんに手を焼いていたことは何か」という問われると、「いつも同じ弁当しか食べない。考えが凝り固まっているんですよね。もっと広い視野を持つための一歩として違う弁当を食べたほうがいいんじゃないですかと言ったんですけど、食べない。一人っ子の特徴ですよ(笑)」と語ると、照美は「俺の親かよ(笑)」と笑い飛ばしました。エンディングでは、ラジオの未来について照美は「今だってラジオ業界に凄い人がいるかもしれない。それを見出す人がいれば、絶対に面白い番組が作れると思っています」と思いを語りました。
『秋元真夏(乃木坂46) 卒業アルバムに1人はいそうな人を探すラジオ サンデー』4月3日(日)午後7時00分~8時00分
『70時間特番』のフィナーレは、乃木坂46・秋元真夏が『70時間特番』メインパーソナリティのいとうあさこ、田村淳と共に締めくくりました。「70周年ウィーク」『70時間特番』のテーマ「#きっかけはラジオ」や、今後のラジオについての想いを語り合いました。
村上信五は『70時間特番』のフィナーレにあたり、「東京でのラジオの“きっかけ”が
文化放送でした。合宿所で暇していたとき、横山(裕)の収録に付いて行った縁で『レコメン!』への流れになりました。(中略)いかに自分の言葉で話せるかがラジオの醍醐味だと思うし、それに気づかせてくださった文化放送さん、非常に感謝しております。文化放送で番組を持ってらっしゃるパーソナリティの皆さん、リスナーの皆さんと共にラジオを盛り上げていければ幸いです」とのコメントを寄せました。
番組では、いとう、淳、秋元が「#きっかけはラジオ」にちなんでセレクトした楽曲をオンエア。いとうは、自身のラジオ出演が江東区のミニFMからスタートことにちなんで、湘南のミニFMを舞台にした映画『波の数だけ抱きしめて』のテーマ曲、「Valentine’s RADIO」(松任谷由実)をセレクト。淳は小学生の頃にラジオで聴いて大好きになったという映画『ゴーストバスターズ』のテーマソングをセレクト。秋元はラジオで曲に込められた意味を知って、より好きになったという「3月9日」(レミオロメン)をセレクトしました。
エンディングでは村上、いとう、淳の3名が交代で次のメッセージを読み上げ、『70時間特番』は大団円を迎えました。