買わないお客のデータ収集ってどういうこと?大型商業施設デジタル化最前線
我々が買い物した時、買った物や買った人の属性(年齢、性別など)がデータ化され、それが販売に活かされていることはご存知だろう。しかし、買った人でなく買っていない人のデータを活かそうとする試みが今、行われているという。
行っているのは、大型商業施設「新静岡セノバ」の運営管理を行う静鉄プロパティマネジメント株式会社だ。4月4日放送の「L is B presents 現場DX研究所」では、静鉄プロパティマネジメント株式会社セノバ事業部運営二課長の大畑恵さんをゲストにお迎えし、大型商業施設のデジタル化の取り組みについて、パーソナリティの株式会社L is B代表の横井太輔氏と文化放送の松井佐祐里アナが話を聞いた。
横井太輔氏「DXという視点で取り組まれていることは何ですか?」
大畑恵氏「買わないお客様のデータを可視化することとL is Bさんとの連携がセノバの中で大きなところですね」
横井「買わないお客様には買わない理由があると思うんですけど、なかなか見えないじゃないですか?」
大畑「ポイントカードはどこの施設もやってると思うんですけど、ポイントを付けることでお客様のデータを集めているんですね。これは個人情報をいただいているわけではなくて、買った方がどこで買ったとか、このフロアは何歳のお客様が多いとかそういう膨大なデータを分析していますがそれは買った人だけのもの。しかし、このフロアは30代の方がたくさん買われているよね。でも実はこのフロアに来てるのは20代の方が一番多かったといった何かギャップが起きてるはず。こういう、なぜ買わなかったのか?について取り組んでいかなきゃいけない」
具体的にどんなことをしているのか?
大畑「防犯カメラにシステムを入れることで顔認証でお客様の属性をデータ化します。お客様の顔そのものを読み込んでいるわけじゃなくてデータ化して数字で誰かわからない状況で記録をします。マスクをしていてもものすごい確率で年代がわかるんです」
横井「年代と性別がわかっちゃうんですね」
大畑「ショップで働く人もなんとなくの感覚はあるんですけど、それが実際何%なのか?そういうのが見えると武器になるんじゃないのかな?と思っていてこれを進めていきたいです」
横井「もう1つがL is Bの連携。当社は現場向けのチャットサービスを運営しているんですけど、これをセノバさんに導入いただいてます。導入の経緯を教えてください」
大畑「我々の運営する商業施設は130のショップがあり、いろんな部門で協力会社が10社以上あり、部内の4課があって、多くの人が関わっています。正しく素早く情報をお伝えする、ショップに対する対応が誰でも同じように対応できることが重要です。営業時間外に地震があった時に明日営業する、しないの連絡が会社に来ないとできない、そういうことがないように緊急連絡が取れるような体制というのが非常に運営上大切なポイントで、L is Bさんに出会って、”direct”を導入してかなりスムーズになっています」
横井「デジタル化された中で気づかれた点はいかがですか?」
大畑「導入するということはただの通過点。導入したらした所で終わりという風になっちゃうことが多いと思うんですけど、あくまで通過点でもっとこうしたいとかアップデートしていくことがすごく大事なんだなと思います。便利がゆえにあえて直接話すなど人がやることをどこに残すか?それこそセノバらしさの中でみんなで考えていきたいなと思っています」
松井佐祐里アナ「今日の大畑さんのお話、お聞きになっていかがですか?」
横井「デジタル化というのは目的じゃなくて手段なんだなと改めて感じました。あくまで通過点であって、それが実際使いこなされて何のために使いこなすかというゴールがあって、そこに向かって進んでいくんですよというのがすごく勉強になりました」
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この記事の番組情報
L is B presents 現場DX研究所
月 20:00~20:30
『温故知新』をテーマに、建設業や小売業など現場向けのビジネスチャットツール『direct』などをリリースする会社L is Bの横井が、様々な企業の代表者と対談…