天然ガスのルーブル建て支払い、欧米日に拒否される  ロシア国内さらなるインフレ懸念

天然ガスのルーブル建て支払い、欧米日に拒否される ロシア国内さらなるインフレ懸念

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G7主要7か国のエネルギー大臣は昨日(2022年3月28日)、オンラインでの緊急会合を開催し、ロシアが要求する天然ガスのルーブル建て支払いを拒否することで一致した。3月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と、寺島尚正アナウンサーがこの話題について意見を交わした。

驚く寺島アナ、ルーブル価値「多少は回復したんですね」

ロシアのプーチン大統領は、アメリカ、ヨーロッパ、日本など非友好国に対して、天然ガスの支払いをルーブルに限定すると表明していた。しかし「G7エネルギー大臣はルーブルでの支払いの要求は一方的な変更で受け入れることができないと確認した。各国企業に要求を受け入れないよう求めることでも一致したと言います」と寺島アナが伝える。実際にルーブル払いを求められた事例は、まだないとのこと。

田中氏はこれについて、「自国通貨のルーブルの価値が下落すると外国通貨で支払わなければならない国の借金や国債の支払いがデフォルトに陥るリスクが高くなります。それを回避したいので、ルーブルの価値を高めるべく、いろいろな手を使っていますよね。主に国内金融引き締めで利率を猛烈な形で上げています。(中略)政治的な圧力をアナウンスメント効果として使っていますよね。ルーブルは一時価値が半減していましたが、現在は30%減ほどに回復しています」と解説する。

「(ルーブルの価値が)多少は回復したんですね」と、驚いた様子の寺島アナ。田中氏は続けて、「ロシアの中央銀行の総裁がかなり優秀な方で、なおかつ政府がジョイントすることで、なんとかルーブルの価値を維持しようと四苦八苦しながらやっています。まさに中央銀行と政府が一体となってやっていると。どこかの国に見習わせたいですね」と、円安が止まらない日本を揶揄して厳しいひと言。

日米欧のロシア産天然ガスの契約に基づく支払いは、ユーロ建てや米ドル建てが多い。例えば、三菱商事と三井物産が権益を持つサハリン2はドル建てが中心となっているようだ。

天然ガスのルーブル建てが拒否されたことにより、今後の進展について田中氏は「長期的には、西側諸国はロシアへのエネルギー依存を見直すことになります。ロシアは『(西側諸国は)お客様としては使えないな』ということで中国などへ依存することが見込まれます。短期的にはロシア国内はインフレになります。ルーブル価値が30%下落すると、年率で15%くらいインフレになり、今後さらに上がる可能性もあります」と述べ、ロシア国内でのさらなるインフレ懸念を示した。

 


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